ヤマハが新たに無人ヘリとドローン開発、適材適所で農業の省人化推進:スマートアグリ(1/2 ページ)
ヤマハ発動機は2022年10月6日、東京都内およびオンラインで記者会見を開き、主に農業用途向けの産業用マルチローター「YMR-II」および産業用無人ヘリコプター「FAZER R AP」を開発したと発表した。
ヤマハ発動機は2022年10月6日、東京都内およびオンラインで記者会見を開き、主に農業用途向けの産業用マルチローター「YMR-II」および産業用無人ヘリコプター「FAZER R AP」を開発したと発表した。
データ流出を防ぐため情報セキュリティ対策を強化
YMR-IIは産業用マルチローター(ドローン)「YMRシリーズ」の新機種となり、2023年春に発売する。価格は189万9000円(税込み)で、1年目で年間400機、2年目で年間800機の販売を計画している。従来機と比べローターの数を8枚から6枚、バッテリーを2個から1個に変更し、構造をシンプルにするなど15%の価格低減に成功した。年間の総需要は3000機前後と見込み、30%のシェア獲得を目指す。
食品産業技術総合研究機構主体の「安全安心な農業用ハイスペックドローンおよび利用技術主体の開発」を受託したヤマハ発動機が代表機関のハイスペックドローン開発コンソーシアムとして開発した。
特長として、情報セキュリティ対策を強化した。ドローンによっては海外のサーバに自動的にデータが送られており、日本の農家の作育ノウハウや田畑の生育状況が流出する恐れがある。国産技術を用いたドローンのYMR-IIは、ハッキングなどによる生育状況などの取得データの流出や、外部操作による機体乗っ取りから生産者のリソースを守る高い安全性を備えている。送信機と機体との通信にはAES256による暗号化通信を採用し、第三者機関によるアプリケーションのセキュリテイ診断を実施するなど、さまざまなセキュリティ対策を施している。
新型自動飛行用アプリケーション「agFMS-IIm」は、熟練者が詳細に飛行設定できる「プロフェッショナルモード」と、初心者でも簡単に飛行設定可能な「シンプルモード」を搭載しており、「シンプルモード」では画面の指示に従う操作で簡単に設定を完了できる。
また、衛星情報と地上の基準局の補正位置情報を加味して高精度な測位を実現するRTK(Real-Time Kinematic)方式は、従来の基準局モジュールを用いるRTK-GNSS方式と、基準局モジュールが不要なネットワーク型RTK-GNSS方式を選択できる。ローターは折り畳むことができ、収納時には約半分の大きさになる。
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