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業界最軽量クラスの多心光ファイバー融着接続機開発、光回線需要で引き込み工事増FAニュース

古河電気工業(以下、古河電工)は2022年12月1日、本社(東京都千代田区)で記者会見を開き、新型の小型多心光ファイバー融着接続機「SOO1M4」を2023年1月に発売すると発表した。架空線向け融着接続機の市場でシェア50%以上、年間800台の販売を目指す。

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 古河電気工業(以下、古河電工)は2022年12月1日、本社(東京都千代田区)で記者会見を開き、新型の小型多心光ファイバー融着接続機「SOO1M4」を2023年1月に発売すると発表した。架空線向け融着接続機の市場でシェア50%以上、年間800台の販売を目指す。

作業環境を考慮して業界最軽量を実現

 近年、コロナ禍でのリモートワークの普及や動画配信サービスの利用拡大などから、高速で安定した光回線通信の需要が高まっている。また、光ファイバーケーブルを自宅のONU(光回線終端装置)まで引き込んでいるFTTH(Fiber To The Home)ユーザーが2010年以降増加しており、電柱からの架空引き込み工事や宅内引き込み工事が増えている。

 光ファイバー融着接続機はこれらの引き込み工事において、端面を合わせた光ファイバー同士をアーク放電を用いて溶かして接続する機械だ。

 古河電工は小型多心光ファイバー融着接続機「NJ001M4」の後継機としてSOO1M4を開発した。日本では、アクセスネットワークの末端部は電柱上に張り巡らされた架空線が主流となっている。高所作業車の狭いパケット内や柱上などで行われる作業を考慮して、SOO1M4は大きさが従来機比約20%減と小型化に成功、重さも従来機比約25%減の750g(バッテリー含む)と業界最軽量を誇るという。「1g単位で部品の重さを量り、余分な箇所は削りながら、部品を1つ1つ小さくした」(古河電工 情報通信ソリューション統括部門 ファイバ・ケーブル事業部門 光接続機器部長の田邉明夫氏)。

 また、片手でも持ちやすいT字薄型ボディーを採用した。さらに、モーターの高速化と補強のために用いられる加熱装置の制御の最適化により、融着接続時間と加熱補強時間を従来機比1.2倍高速化した。接続可能心線数は単心、2心、4心で、本体寸法は120×165×65mmとなっている。

小型多心光ファイバー融着接続機「SOO1M4」 小型多心光ファイバー融着接続機「SOO1M4」(左)と風防を開いた状態(右)[クリックして拡大]

ユーザーの声に応えた多数の便利機能

 田邉氏が「われわれは新製品の開発時、ユーザーが何を求めているかをしっかり調べ、それに応える新製品を企画し、商品化している」と語る通り、現場のユーザーの声を聞き、日々の作業を行う上で“痒いところに手が届く”便利機能を多数盛り込んだ。

 2.8インチのタッチパネル付き液晶画面を導入した他、使用頻度が高いスイッチは独立して配置した。「タッチパネルは非常に操作しやすいが、炎天下では日光が反射して液晶画面が見えづらかったり、雨でぬれると誤動作したり、手袋をすると作業しづかったりする場合もある。そういった環境下でも使用できるように作業に必要な一部操作スイッチを独立させた」。光ファイバーの被覆部の曲がり癖を矯正して接続しやすくするカールリムーブスイッチ、電柱から自宅に引き込むドロップケーブルを接続する設定に変更するスイッチなどを独立して配置した。操作時に手が画面を遮らないように、タッチパネルのスイッチ表示は聞き手に応じて変更できる。

 機構部を風から守る風防は開けた状態の角度が変えられる上、風防内に高輝度LEDを付けて暗がりの作業でも機構部を見やすくした。光ファイバーホルダの一時保管置き場に困るとの声を受け、装置の量側面に磁石を吸着する鉄のプレートを付け、光ファイバーホルダの一時置き場とした。

 光ファイバーケーブルに近づいて融着接続しなければならず、装置を立てて使用する場合でも加熱器の蓋が自重で閉じないように設計した。光ファイバーが位置決め部にしっかりと乗らずに位置ずれを起こした際に、光ファイバーに触れずに位置矯正するボタンを左右独立して設けた。古河電工の原点である銅の色を装置の随所に配置している。


古河電工 情報通信ソリューション統括部門 ファイバ・ケーブル事業部門長の浅尾真史氏(左)と田邉氏(右)

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