年収が「低すぎる」と43%が回答、理想と現実の年収差は「100万円」:キャリアニュース
「マイナビ転職」が「正社員の賃金上昇実態と生活満足度調査」の結果を発表した。現在の年収が「低すぎる」と43%が回答し、見合うと思う年収と現実の年収差は「100万円」だった。また、将来の生活に不安を感じる人が7割にのぼった。
マイナビが運営する総合転職情報サイト「マイナビ転職」は2022年11月10日、「正社員の賃金上昇実態と生活満足度調査」の結果を発表した。同調査の対象者は正社員1200人で、内訳は20代、30代、40代、50代が各300人となっている。
初めに、現在の年収を尋ねた。中央値は、全体が「450万円」、20代は「350万円」、30代は「425万円」、40代は「500万円」、50代は「600万円」となっている。
次に、「年収は見合っていると思うか」と尋ねたところ、全体の43.0%が「低すぎる」と回答。「妥当」の33.3%を上回る結果となっている。
前問で「低すぎる」と回答した人に「見合うと思う年収」を尋ねた。中央値は「500万円」で、理想の年収と現実の年収に「100万円」の差があった。月額換算すると8.3万円となり、大幅にギャップが出ている。
5年前と比べた年収の変化を見ると、41.9%が5年前と比べて年収が「上がった」と回答。「変わらない」は33.7%だった。上昇額の中央値は「50万円」で、月額換算すると4.2万円になる。年収が上がった人でも物価高や増税の影響を考えると、家計の好転を実感しにくいようだ。
次に、5年後に「年収は上がると思うか」と尋ねたところ、「変わらないと思う」(46.6%)が最も多かった。「上がると思う」(37.3%)を上回っており、賃金の上昇に期待が持てないことがうかがえる。
将来の生活に金銭的不安を感じる人が7割以上
今の生活の金銭的な満足度についても尋ねた。「不満」(21.5%)と「やや不満」(36.3%)を合わせて、半数を超える57.8%が不満と回答した。「やや不満」を含めた不満の比率を年収別で見ると、「300万円未満」が77.1%、「300万〜500万円未満」が64.0%となった。「500万〜700万円未満」は「満足」と「不満」がほぼ同等で、700万円を超えると逆転し、「満足」が上回っている。
「金銭的理由で出費をためらう、諦めることがあるもの」は、1位が「趣味、娯楽、レジャー費」(36.8%)、2位が「被服、美容、化粧品費」(32.1%)、3位は「交際費」(30.3%)だった。4位の「食費」は25.3%で、4人に1人が毎日の食事に関わる費用の出費を金銭的な理由でためらうと回答した。
続いて、「将来の生活への金銭的不安」を尋ねたところ、「不安」が32.8%、「やや不安」が38.8%となり、合わせて7割以上が不安と回答した。
最後に、「年収を上げるために行っている行動」を尋ねた。実際に行動している人の回答トップ3は、「今の会社で年収を上げるための勉強、リスキリングを行っている」(20.2%)、「今の会社以外の収入は得ていないが、検討している」(15.4%)、「今の会社以外(副業など)で年収を上げるための勉強、リスキリングを行っている」(13.5%)だった。全体の回答の中で最も多かったのは「特に何もしていない」(50.1%)で、半数を超えていた。
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