導入後すぐに製造現場を可視化/分析可能、誰でも使いやすいUI搭載ツール:製造ITニュース
セレンディップ・ホールディングスは2022年10月12日、製造現場の見える化によってDXを支援するツール「HiConnex」の提供を開始した。データ取得の機能に絞れば月額1万円からの導入も可能で、さらに運用開始までの期間は最短1日と迅速に展開できる。
セレンディップ・ホールディングスは2022年10月12日、製造現場の見える化などを通じてDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援するツール「HiConnex」のサービスを開始した。データ取得の機能に絞れば月額1万円からの導入も可能で、さらに運用開始までの期間は最短1日と迅速に展開できる。
作業の進捗や異常発生などを記録
HiConnexには現場の状況を管理し、通知する「e進捗管理機能」と、収集したデータを基にした「分析機能」の2つが搭載されている。いずれの機能においても、情報確認、データ入力などの操作はタブレット端末上から行える。日本語に習熟していない外国人やITの扱いに不慣れな高齢者などさまざまな人が使用することを想定して、入力画面のUI(ユーザーインタフェース)はシンプルなものになるように工夫したという。
e進捗管理機能は、QRコードなどを読み取ることでその日の作業内容などの管理画面を一覧で呼び出せる。例えば、かんばんなどにQRコードを設置しておき、それをタブレット端末で読み取ると、生産設備ごとに必要な作業が確認できる。さらに、作業のステータスに応じて「作業開始」「退席」「一時停止」「作業終了」のボタンを押すことで、作業の進捗を記録する。
設備に異常が生じた場合は「異常発生」のボタンを押すと、管理者にトラブル発生の通知が送られる。事前にマスターデータに登録しておけば、異常の種類なども併せて記録できる。さらに、講じた対策の内容も記録できるため、実際に対策の効果が出たのかなどを後から検証することも可能だ。
効率よく課題を解決するための分析機能
「分析機能」については、製造現場においてロスが生まれやすい領域を「工程」「品番」「ヒト」の3つに分類し、それぞれについてダッシュボード上で見える化する機能を用意している。工程の領域では、稼働率推移や停止時間推移、その停止理由や不良数を、品番では全品番の生産性と不良率、個別品番の不良数、停止時間、生産性の推移を、ヒトでは部署別の作業時間効率推移や作業者別のロス工数、担当品番別の生産時間のばらつきなどを可視化できる。今後、「エネルギー」の効率を可視化するダッシュボードもリリースする計画だという。
単に入力したデータを可視化するだけではなく、データからいかに効率よく現場課題を解決していけるかを意識した仕組みに特徴がある。具体的には、例えば品番の場合は、「損失金額が高い製品の絞り込み」を行った上で「損失金額が高い要因の絞り込み」を行い、具体的な損失要因の特定が行えるようにしている。これによって大きな損失を生む原因を効率的に特定し、解決に導きやすくなる。
HiConnexを導入したセレンディップ・ホールディングスのグループ企業では、導入前と比べて現場作業におけるロスの80%を改善することができた。これによって、年間1億円程度のコスト削減効果が生まれたという。
HiConnexの販売プランはデータ取得の身に対応した「スタンダート」と、各種分析ダッシュボードが使える「アドバンス」の2つがある。スタンダードは初期費用15万円で、1アカウント当たり月額1万円。アドバンスは初期費用15万円で、10アカウントで月額10万円からそれぞれ利用できる。
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