製造現場を可視化する現場改善IoTツール、データをタッチパネル操作で記録し分析:FAニュース
松田電機工業所は、製造現場を可視化する現場改善IoTツール「Genba Vision」の提供を開始した。製造現場のデータをタッチパネル操作で記録し、自動で分析するため、効率的な現場の改善が可能になる。
松田電機工業所は2021年5月27日、製造現場を可視化する現場改善IoT(モノのインターネット)ツール「Genba Vision」の提供を開始した。
Genba Visionは、生産状況や機械停止の内容、作業過程など製造現場のデータをタッチパネル操作で記録でき、自動で分析する現場改善IoTツール。データは自動で数字化、グラフ化されるため、効率的な分析や資料作りが可能になる。
Genba Visionの各センサーが設備の動作とランプの点灯状況を監視し、Genba Vision本体からPCへデータを自動で送信、蓄積して、グラフ化する。有線接続のため、データを安定して取得できる。設備の不具合や停止を検知した場合は、停止理由を入力する画面に自動で切り替わり、画面のタッチパネルで選択するだけの簡単な操作でリアルタイムのデータを記録できる。
Genba Visionを同社で運用したところ、設備停止の50%を占めていた要因をグラフ化によって特定し改善することで、その原因による停止を63.3%減少できた。
ツールの構成は、Genba Vision本体、光電センサー、光フォトセンサー、専用PC、モニターで、導入先の設備に応じてカスタマイズする。保守サービスや季刊誌、100項目に及ぶ現場改善のノウハウ事例集なども提供する。導入のための工事は不要で、外部センサーを取り付けるだけでどのメーカーの設備にも利用できる。
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