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2つの独自技術で高品質な造形、金属3Dプリンタへの関心の高まり実感Formnext Forum Tokyo 2022

日本電産マシンツールは積層造形技術の見本市「Formnext Forum Tokyo 2022」において、同社のパウダーDED方式3次元金属積層造形機「LAMDA 200」による積層サンプルなどを出展した。

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 日本電産マシンツールは積層造形技術の見本市「Formnext Forum Tokyo 2022」(2022年9月27〜28日、東京都立産業貿易センター 浜松町館)において、同社のパウダーDED方式3次元金属積層造形機「LAMDA200」による造形サンプルなどを出展した。

チャンバーなくとも造形可能な独自技術

LAMDA
3次元金属積層造形機「LAMDA200」による造形サンプル

 LAMDA200は三菱重工工作機械時代の2019年に発表された。独自技術の1つが「ローカルシールド機能」だ。流体解析技術を活用し、造形中に「空気の渦を外に巻くように」(説明員)ガスを吹き付けてヘッド周辺の酸素を排除し、金属の酸化を防ぐ。これにより、チャンバーを用意しなくても、チタンやアルミニウムなどの酸化を嫌う材料を造形できるようになった。

 また、「モニタリングフィードバック機能」ではカメラやセンサーを用いて造形状態を監視し、その結果に基づいてレーザ出力などをリアルタイムに制御、金属の溶融凝固を安定化させる。「とても好評で、後付けもできるため、9割の顧客は付けている」(説明員)という。いずれも世界で初めて実用レベルで実装した。

 発表当時と比べ、ローカルシールド機能のエリアはノズルの改良により従来比45倍にまで拡大している。また、モニタリングフィードバック機能には、AI(人工知能)を取り入れた積層状態判別も追加した。

LAMDA500
画像手前はLAMDA500(プロトタイプ)による造形サンプル

金属3Dプリンタならでは強みが普及の鍵

 ラインアップも2020年には高さ1m超の造形が可能なLAMDA2000を開発、2022年9月にはニデックオーケーケー(旧OKK)の5軸制御マシニングセンタを活用したLAMDA500を発売した。「“200だと小さかった、500はサイズとしてちょうどいい”という声をいただいている」(説明員)。

 会場全体に活気があり、ブースにも話を聞く人が頻繁に訪れていた。「引き合いの件数や導入台数は年々増えてきている。注目度は上がっていると感じる。以前はパウダーDED方式とは何ですかと聞きに来る方も多かったが、最近は業種を問わず理解している方が増えてきた」。一方で、今後の一層の普及に向けた課題も指摘する。「単なる切削加工の置き換えでは金属3Dプリンタの良さを生かしきれない。金属3Dプリンタでしかできない形や機能、材料の組み合わせをどう考えていくか。そこが鍵になる」(説明員)。

 日本国内での販売店契約を結んでいるスウェーデンのDigital Metalのバインダージェット式3次元金属積層造形機「DM P2500」による造形サンプルも展示した。

Digital Metal
Digital Metalの3次元金属積層造形機による造形サンプル

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