伝統の酒まんじゅうの発酵過程を科学的に解析して見える化:医療機器ニュース
製品評価技術基盤機構、岐阜県食品科学研究所、金蝶園総本家は、酒まんじゅうのモトの高品質化を目指した共同研究契約を締結し、分析を開始した。伝統的な発酵食品の製造に科学的な視点を取り入れることで、品質の安定や向上につなげる。
製品評価技術基盤機構(NITE)は2022年7月12日、岐阜県食品科学研究所、金蝶園総本家と、酒まんじゅうのモト(酉へんに元)の高品質化を目的とした「酒まんじゅうモトの高品質化と安全性向上に資する微生物及びデータ収集に関する共同研究契約」を同年4月1日に締結し、同年6月から分析を開始したと発表した。同研究で得られた酒まんじゅうモト由来の微生物とその情報の一部は、NITEが公開し、第三者も利用可能になる予定だ。
モトとは、アルコール発酵を担う酵母を育てるために、水や米、麹(こうじ)を混ぜて発酵させたもので、酒元とも呼ばれる。今回の研究では、金蝶園総本家の酒まんじゅうのモトの発酵過程を解明して見える化するために、NITEの微生物解析技術と岐阜県食品科学研究所の醸造発酵技術を組み合わせて解析する。
金蝶園総本家では、1855年(安政2年)の酒まんじゅう創製から、160年以上にわたって同じ製法で作り続けている。和菓子作りで発酵にモトを利用することは珍しく、同店の酒まんじゅう独自の風味やおいしさの要因になっていると考えられる。
これまで職人の経験と勘で継ぎ足し、維持されてきたが、その品質は発酵に関わる乳酸菌や酵母などにより左右されることが明らかとなっている。同研究により、伝統的な発酵食品の製造に科学的な視点を取り入れることで、品質の安定や向上、産業振興につながることが期待される。
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