インテルのWi-Fi 7開発は順調、2030年に全ての無線通信がシームレスにつながる?:組み込み開発ニュース(2/2 ページ)
インテルが、Wi-Fiや5Gを中心とした同社の無線通信技術の開発状況について説明。Wi-Fiについては、6GHzの周波数帯を用いるWi-Fi 6Eの需要が2022年後半に向けて急激に拡大するとともに、同じく6GHz帯を用いてより高速かつ安定な通信が可能なWi-Fi 7の登場により、さらに需要が拡大すると見ている。
Wi-Fi 7ではシスコシステムズとの接続テストが進行中
とはいえ、やはりインテルの無線通信技術で最も有力なのはWi-Fiだろう。日本国内での利用が間もなく開始される6GHz帯を利用するWi-Fi 6Eは、帯域幅が160MHzと従来比で2倍に拡大されるため高速通信が可能だ。何より、2.4GHz帯や5GHz帯と異なり、現時点でWi-Fiでしか利用されていないので通信の安定性を高められるという特徴もある。インテルの10世代と11世代の「Core」プラットフォームで追加対応するとともに、最新の第12世代「Core」ではプラットフォームベースでWi-Fi 6Eに対応する機能を統合している。2022年7月時点でのインテルアーキテクチャベースのPCはデスクトップPCとノートPC合わせて439モデルあるが、12世代Core搭載モデルは325モデルを占めており、これらはWi-Fi 6Eが利用可能な状態にある。
さらに次世代規格のWi-Fi 7では、Wi-Fi 6Eと同じ6GHz帯を用い、帯域幅がさらに倍増となる320MHzにすることで5Gbps以上の通信速度が得られる。また、これまで基本的にはシングルリンクだったWi-Fiが、新たなマルチリンク機能によって複数のリンクを確立できるようになり、より高い信頼性の通信が行えるようになる。これらの他にも、320MHzという広い帯域幅を利用して、人や物体の近接検出や認識なども可能になるという。
マクラフリン氏は、「規格を先取りする形でWi-Fi 7製品の開発は順調に進展しており、予定通りの納期で出荷できる」「Wi-Fi AllianceによるWi-Fi 7のプラグテストの全てに参加する」「社内テストベッドでエコシステムパートナーとの接続テスト重ねている」とコメントし、Wi-Fi 7の技術開発が順調に進んでいると強調。一例として、無線通信機器大手のシスコシステムズ(Cisco Systems)とさまざまなテストを重ねていることを明かした。
この他、米国オレゴン州にあるテスト施設「Casper」では、実際の建物やロボットを使った接続試験を行っていることや、12世代Coreに採用されているBluetoothを用いて遺失ノートPCを見つけ出す「Tile Finding」機能などについても紹介した。
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