Wi-Fi 6E対応の無線LANコンボモジュールを発表:組み込み開発ニュース
サイレックス・テクノロジーは、最新規格Wi-Fi 6/Wi-Fi 6Eに対応する無線LANコンボモジュール「SX-PCEAX」シリーズを発表した。電波環境が厳しい工場や倉庫、医療現場などで利用する無線LAN搭載機器に適する。
サイレックス・テクノロジーは2021年12月16日、最新規格Wi-Fi 6/Wi-Fi 6E(IEEE 802.11ax)に対応する無線LANコンボモジュール「SX-PCEAX」シリーズを発表した。2022年3月から量産出荷する。
SX-PCEAXシリーズは、Wi-Fi 6およびBluetooth v5.2対応(予定)の無線LANコンボモジュール。Wi-Fi 6が有する通信効率、安定性、省電力、高速化を活用し、電波環境が厳しい工場や倉庫、医療現場などで利用する無人搬送車(AGV)、内視鏡、ハンディターミナルといった無線LAN搭載機器に適する。
クアルコム製「QCA2066」を搭載し、2.4GHz帯、5GHz帯、6GHz帯をカバーする。子機(ステーション)モードと親機(アクセスポイント)モードに対応し、Wi-Fi 6の特徴であるOFDMA(直交周波数分割多元接続)やTWT(ターゲットウェイクタイム)といった機能も搭載する。
さらに、クアルコムのDBS(Dual Band Simultaneous)技術を応用した独自機能を開発し、異なる2つの周波数帯で同じデータを一気に送信できるようにした。これにより、ノイズに強く通信断の少ない機器の開発を可能にするとともに、Wi-Fi 6の通信速度をさらに上げている。
SX-PCEAXシリーズのラインアップは、M.2、Mini PCI Express、表面実装タイプの3種類。外形寸法は、それぞれ22.0×30.0×2.70mm、29.85×26.65×2.90mm、14.0×18.0×1.90mmとなっている。
同シリーズは、日本、アメリカ、カナダ、欧州(イギリス)の無線認証を受けている。なお、Wi-Fi 6Eがサポートする6GHz帯は、海外の一部の国で使用可能だが、日本国内では現在、未認可となっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 電池を気にせず5G並みの高速通信、Wi-Fi 6は工場ネットワークの主役となるか
無線LAN技術の業界団体であるWi-Fi Allianceは2019年9月19日、東京都内で記者会見を開催し、最新の通信規格「Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)」の認証プログラム「Wi-Fi CERTIFIED 6」の提供を開始したと発表した。 - IEEE 802.11ahがWi-Fi CERTIFIEDに、「Wi-Fi HaLow」として本格始動
Wi-Fi Allianceは、LPWAネットワーク向けの無線LAN規格「IEEE 802.11ah」の技術を搭載した製品の認証プログラムである「Wi-Fi CERTIFIED HaLow(Wi-Fi HaLow)」を発表した。 - 次世代のWi-Fiセキュリティ規格「WPA3」を発表
Wi-Fi Allianceは、Wi-Fi保護機能を強化した次世代Wi-Fiセキュリティ規格「Wi-Fi CERTIFIED WPA3」を発表した。Wi-Fiセキュリティの簡素化、よりレジリエントな認証、機密データの強固な暗号化を実現する。 - 5G時代もWi-Fiの重要性は変わらない、「互いに補完し合う関係が続く」
Wi-Fi Allianceが無線LAN規格であるWi-Fiの最新状況について説明。「2020年以降に実用化される5G時代を迎えても、携帯電話通信とWi-Fiは互いに補完し合う関係が続いていくだろう」と述べ、今後もWi-Fiの果たす役割の重要性は変わらないという見方を示した。 - 日本発の無線規格「Wi-SUN」、国際展開への飛躍を阻む4つの問題
IoTにまつわる標準化規格で数少ない日本発の規格が「Wi-SUN」だ。家庭向けに低消費電力でメッシュネットワークを構築できるWi-SUNの特徴と、国際的なデファクトスタンダード化を阻む問題について解説する。 - 古い工作機械も含めた工場のスマート化へ、サイレックスがパトライトと連携
サイレックス・テクノロジーは、「第4回スマート工場EXPO」において、CNC装置に対応した工作機械向けプロトコルコンバーター「FBR-100AN」と、パトライトの信号灯ワイヤレスデータ通信システム「AirGRID」を連携稼働するデモンストレーションを披露した。