I/F変換ユニットを分離、ニコン初の超小型マシンビジョンカメラ:FAニュース
ニコンは、同社初となる超小型マシンビジョンカメラ「LuFact」を発表した。画像処理用のI/F変換ユニットを分離したことで、カメラヘッドが超小型化し、既存装置への設置自由度が向上した。生産ラインに与える熱影響も低減する。
ニコンは2022年7月5日、同社初となる超小型マシンビジョンカメラ「LuFact(ルファクト)」を発表した。高感度モデルと高解像度モデルのカメラヘッド2機種、伝送規格が異なるI/F(インタフェース)変換ユニット2種を同年8月31日に発売する。
LuFactは、撮影するカメラヘッドから画像処理用のI/F変換ユニットを分離し、カメラヘッドを超小型化した。そのため、既存の装置や生産ラインなどに設置しやすく、自由度が高い。ロボットハンドへの取り付けにも対応し、ロボットの作業精度を向上する。
また、カメラヘッドと発熱源となるI/F変換ユニットを分離して設置できる。これにより、生産ラインへの熱影響を低減するほか、カメラヘッド周りの温度が高くなる環境下でもサーマルシャットダウンによる撮影停止を防ぐ。
カメラヘッドは、高感度モデルの「LuFact AH020-MR」と高解像度モデルの「LuFact AH080-MR」の2種で、レンズ交換式カメラのように、撮影対象や用途に応じてカメラヘッドを変更して使用できる。I/F変換ユニットは「LuFact A1000-G」(GigE Visionモデル)と「LuFact A1000-U」(USB3 Visionモデル) をラインアップする。
カメラヘッド、I/F変換ユニットは、LuFactシリーズの製品と組み合わせて使用する。他社製品には対応していない。
ソフトウェア開発キットとして、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)、開発者向けリファレンスマニュアル、サンプルコードを用意し、LuFactシリーズのカメラを制御するアプリケーションを短い工数で容易に開発できる。
なお、AH020-MRとA1000-Gは、ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング(SCK)が実施する「CR2プロジェクト」にニコンが参画し、SCKの協力のもとで開発。両製品は、SCKの製造現場での性能評価を経て、正式にSCKで採用された。
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