新型ポメラ「DM250」、見た目やサイズは「DM200」に似ていても中身はほぼ新規設計:デザインの力(2/2 ページ)
キングジムは、デジタルメモ「pomera(ポメラ)」の新製品「DM250」に関する発表会を開催した。DM250は前機種「DM200」の後継機種の位置付けで、設計、機能、アプリケーションの面でさらなる進化を遂げている。一方、DM250の製品開発においては中国のロックダウンや半導体不足の影響もあったという。
文章を書くための機能をより一層強化
編集機能もDM200から強化している。DM200から搭載されている「ATOK for pomera[professional]」の機能を強化し、よりストレスフリーな文章作成を支援すべく、誤字脱字や慣用表現の誤りなどを指摘してくれる機能を追加している。「この機能の追加により自分でも気が付かいないような間違いであってもポメラが自動で訂正してくれるため、より正確な文章作成が可能になる。例えば『ぢめん』と打った際、『じめん』ではないかという指摘をしてくれる」(同社 開発本部 電子文具開発部の清水翔平氏)。
また、DM250では、作成した文章を表示できるレイアウトに「シナリオモード」を追加した。ポメラを使用して脚本や台本を作成する際に使いやすいレイアウトになっているという。
さらに専用アプリも刷新し、スマートフォンとの連携も強化した。ポメラで作成した文章をスマートフォンに取り込む際、従来はポメラ内でQRコードを表示し、スマホの専用アプリでそれを読み込む必要があったが、長文の場合、何枚もQRコードを準備する必要があり作業が煩雑になることがあった。これに対し、DM250ではWi-Fi接続でスマートフォンとファイルの送受信が行える専用アプリ「pomera Link」(iOS、Android OS)を用意する。「pomera Linkによって、ポメラのメインメモリ内のデータ一覧をスマートフォンから確認できるようになり、必要なファイルを選択することでポメラからスマートフォンへ簡単に文章を転送することが可能になった」(清水氏)。
その他、誤ってファイルを削除/上書きしてしまった場合の救済として、ゴミ箱、オートバックアップ機能を追加したり、正規表現検索や文字数カウントの機能を追加したりなど、文章を書く上で必要な使い勝手の向上が図られている。
ロックダウンや半導体不足を乗り越えて発売
実は、DM250の製品開発においても、コロナ禍、半導体不足などの影響があった。「当初、DM250の製品発表会は2022年5月24日に予定されていたが、中国のロックダウンの影響によって肝心のモノが届かず、約2カ月間延期せざるを得なかった。現在、この問題は解消している状況にある」(立石氏)。
また、世界中で深刻化する半導体不足の影響も受け、「部品調達に大変苦戦した。製造や全体スケジュールの調整など、その影響範囲は大きかった」(八木氏)という。
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