AIで製造現場などの熱中症を予防、有人監視で顧客サポート強化へ:ウェアラブルニュース
ユビテックは2022年7月8日、同社が提供する安全見守りサービス「Work Mate」において同年8月1日から有人のモニタリングサービスを開始すると発表した。
ユビテックは2022年7月8日、同社が提供する安全見守りサービス「Work Mate」において、同年8月1日から有人のモニタリングサービスを開始すると発表した。
Work Mateでは、工場や工事現場で働く作業者の腕に装着したスマートウォッチから心拍数などの体調や周囲の温湿度などを把握し、AI(人工知能)が熱中症の予兆を検知して「1次アラート」として作業者に休憩を促したり、作業者が転倒、転落した際に管理者に通知したりできる。1日の作業者の体調指標はメールで通知され、翌日以降の作業内容の変更や早期の異常発見に活用できる他、蓄積データを基に個人特性をAIが学習して精度を向上させる。
一方で、管理者が会議や商談、作業のため1次アラートに気付かない可能性がある。そこで今回発表したモニタリングサービスでは、回復や処置の状況および機器の通信状態が一定時間確認できなかった場合、「2次アラート」としてユビテックの担当者から管理者に直接連絡をする。さらに2次アラートでも連絡が取れなければ、事前に指定された部署に知らせ、状況の確認を促す。
モニタリングサービスは平日午前10時〜午後6時まで利用可能で、その間、2人のユビテック社員がモニタールームで監視を行う。
記者会見では、報道陣が装着したスマートウォッチに、作業者に扮したユビテック社員が転倒すると通知が届いたり、熱中症を予兆検知して休憩を指示する表示が出るデモンストレーションも行われた。
Work Mateは2019年からサービスを開始し、2021年に熱中症予兆検知機能を追加、現在、製造業や建設業を中心に60社ほどが採用している。利用人数としては製造業が7割を占める。ユビテック 代表取締役社長の大内雅雄氏は「工場には熱を発する設備があるため、屋内でも熱中症になりやすい。また、コロナ禍以降、密を避けるために遠隔からの作業者の見守り機能としても重宝されている。最近では、(GPS機能を活かして)作業者の動線の分析に使う企業も出てきている」と話す。サブスクリプション型のサービスとなっており、気温が上がる6〜10月などのスポット利用も可能という。
転倒、転落の原因となる注意力低下の予兆検知機能の開発にも取り組んでいる。いかに早く気付くかではなく、熱中症同様いかに予防するかを見据える。「Work Mateのコンセプトは単なる見える化ではなく、取得したデータから危険予知を行い、実際に行動変容、現場改善を生み出すことにある。真の労災予防を実現に貢献したい」(大内氏)。
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