インフォア、サイバー攻撃受けた基幹システムを3週間でクラウド移行:製造IT導入事例
インフォアは、サイバー攻撃を受けたDBKの基幹システムのクラウド移行を支援し、3週間後にシステムを再稼働させたと。自動車向けのクラウドERP「Infor CloudSuite Automotive」により、新システムを立ち上げた。
インフォアは2022年5月25日、サイバー攻撃を受けたDBK David + Baader(DBK)の基幹システムのクラウド移行を支援し、3週間後にシステム再稼働させたと発表した。
自動車部品サプライヤーのDBKは、従来、インフォアのERPソリューション「Infor LN」をオンプレミスで使用していた。しかし外部からのサイバー攻撃によって、技術インフラの全機能が停止。被害は全てのバックアップにも及んだ。
DBKはインフォアの支援を受けながら、自動車向けのクラウドERP「Infor CloudSuite Automotive」による新システムの立ち上げを決断。インフォアでは、IT管理者やセキュリティ、マイグレーションなどの各分野の専門家を配置し、24時間体制でシステム稼働およびデータ復旧に臨んだ。
データは、攻撃前のバックアップデータから復元。2週間で復旧データを用いた新システムを構築し、さらに1週間でテストを完了させて本稼働させた。その数日後には、社内の各署から新システムに接続することが可能になった。
Infor CloudSuite Automotiveによる新システムでは、機能が常に更新されるため、個別のコストをかけることなく、新たに発見された脆弱(ぜいじゃく)性が解消される。さらに、標準化されたプラットフォームにより、BI(ビジネスインテリジェンス)による分析や将来的な外部接続のための基盤も整った。
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