インフォアジャパンが業種特化型ERPをクラウドで提供開始、アマゾンと提携:製造ITニュース
インフォアジャパンがクラウドERP「Infor CloudSuite」を日本での提供開始を発表。各業界に特化したアプリケーション群をクラウドで提供するSaaS型のサービスで、アマゾンのクラウドプラットフォーム「Amazon Web Services(AWS)」上で展開する。
インフォアジャパンは2014年10月15日、東京都内で「Infor Day Tokyo 2014」を開催し、同年内からクラウドERP「Infor CloudSuite(以下、クラウドスイート)」を日本で提供開始すると発表した。クラウドスイートは、各業界に特化したアプリケーション群をクラウドで提供するSaaS型のサービス。アマゾンのクラウドプラットフォーム「Amazon Web Services(AWS)」上で展開する。
Infor Day Tokyo 2014の中で開かれた会見では、Infor CEOのCharles Phillips(チャールズ・フィリップス)氏が、同社のクラウドERPに関してプレゼンテーションを行った。
業種特化型のサービスをクラウドで提供
フィリップス氏は「インフォアはこの3年間で、約10億米ドルを研究開発費に投じてきた。特にアプリケーション分野に注力しており、2013年度は全世界で1000人以上のエンジニアを採用している。その結果、新たな製品や機能を次々と生み出すことができた。今後も新製品の開発に注力していく」と語った。
また、同氏はクラウドスイートについて「インフォアはこれまでも業界特化型のソリューションを提供してきたが、それをクラウド型で実現する。1つのソリューションを全ての業界で使ってもらおうとする企業が多いが、例えば自動車メーカーと飲料メーカーではニーズが異なる。クラウドスイートでは、物流、製造、自動車、医療など、さまざまな業界に対して、最適なものを提供する」としている。
クラウドスイートは日本市場で、自動車、中小企業、製造業、ファッションなど6種の業界に合わせて展開され、料金モデルはサブスクリプション型となっている。こうした、クラウドスイートの提供をAWSで行う理由についてフィリップス氏は「Amazonほど大きなデータセンターを持っている企業は他になく、ユーザーからの信頼も高いと考えている。Amazonはグローバルなプラットフォームであり、インフォアやユーザーのビジネスの方針にもフィットする」と説明した。
「今後5年間で、50%がクラウドに移行」
クラウドスイートは2014年3月の発表以降、既に米国などでは提供されている。フィリップス氏は「2014年第1四半期のインフォアのクラウド製品の成長率は60%だった。今後5年の間に、インストールベースでユーザーの約50%がクラウドを利用すると考えている。当初オンプレミスを検討していても、最終的にクラウドを選択するユーザーが増えている」と説明した。
また、インフォアジャパンはクラウドスイートをはじめとするクラウドERPの日本国内での展開を見据えた組織編成を行い、社内に「クラウドソリューション戦略部門」を新たに設置する。
クラウドスイートの日本国内での提供について、インフォアジャパン 代表取締役 社長の尾羽沢功氏は「現在、日本国内で30社とパートナー契約を結んでいる。その中で、自前のシステムを持っている企業がSierとして、インフォアの製品をクラウドで展開するというモデルも想定している。クライアント、Amazon、インフォアの3社でのアライアンスも検討していく」としている。
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