NECが5G共創施設をリニューアル、利用拡大を見込みビジネスデザイナーが伴走:製造ITニュース(2/2 ページ)
NECは2022年6月9日、2020年3月にローカル5Gに関する共創拠点として設立した「ローカル5Gラボ」をリニューアルし、ローカル5Gに限らずさまざまなネットワークを活用しDX(デジタルトランスフォーメーション)におけるビジネス価値をパートナー企業や顧客企業と共に共創する「NEC CONNECT 5G Lab」をNEC玉川事業所(神奈川県川崎市)開設したことを発表した。
「NEC CONNECT 5G Lab」の新たな特徴
「NEC CONNECT 5G Lab」は、5Gを含むさまざまなネットワーク技術を基軸としながらも「ビジネスにどう活用していくのか」という視点で、5G実証の前段階のフェーズを強化したことが特徴の1つだ。
NEC ネットワークサービスビジネスユニット 新規事業推進部門 部門長 新井智也氏は「従来の『NECローカル5Gラボ』での来場者はアーリーアダプターで、具体的に『5Gでこれがしたい』という目的が明確な企業が多かった。しかし、今後、5Gがさらに普及し活用方法が多様化する中で『どこで5Gを活用すべきか』が分からないユーザーも活用するようになってくる。そのためにさまざまな整理や切り分けを伴走して行える仕組みが必要だと考えた」と語っている。
コンサルタントや業務プロセスの専門家、エンジニアなどで構成されるメンバーによるビジネスデザイナーが課題の掘り起こしを行い、その中での5Gの使いどころなどを切り分けた上で、実証などを進めていけるようにする。また、ビジネスモデル検証などを通じて、本格導入に向けたユースケースを共創していく。
もう1つの特徴が、広くパートナー企業を募集し多様な企業の協業による共創の場とできるようにしたことだ。「従来は基本的にはNECとユーザー企業の一対一の関係だった。これを複数企業のパートナーシップなどを生かしてオープンイノベーションを進めていけるようにした」(新井氏)。
現在公開されているパートナー企業は25社だが、非公開パートナーを含めると約50社がかかわっているという。「数にはこだわらないが、必要な企業や活動に共感するパートナーを幅広く募っていく」と新井氏は述べている。さらに、5Gで競合関係となる企業に対しても「基本的には参加を拒むことはない。5G環境を一緒に連携して盛り上げていきたいと考えている」(新井氏)としている。
さらに、ネットワークを含めた多様な実証環境もそろえた。従来はローカル5Gを基軸としていたが、よりビジネスに近い実証を進めるためには、ローカル5Gを使わない方が合理的な選択肢も出てくる。そこで、ローカル5G関連設備の他、キャリア5G、プライベートLTE、キャリアLTE、LPWAなどさまざまなネットワーク環境を用意する。さらに、クラウド環境やデータ基盤、エッジコンピューティング環境などさまざまな設備を用意している。
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