新型RXは電動化時代のレクサスらしい走り、運転する楽しさを体現:電動化(2/2 ページ)
トヨタ自動車は2022年6月1日、レクサスブランドのSUV「RX」をフルモデルチェンジして世界初公開した。多様化するユーザーのニーズに対応して、さまざまなパワートレインを用意した。日本では2022年秋に発売する。
RX500hに採用された技術
EV専用モデル「RZ」に続いて、電動車向けの4WDシステム「DIRECT4」を採用した。緻密な駆動力制御によって前後輪のグリップ力を最大限に生かし、姿勢コントロールも行いながら気持ちのいい走りを実現する。
車輪速センサー、加速度センサー、舵角センサーなどの情報を用いて、前後輪の駆動力を100:0から20:80の間で制御する。直進加速時は前輪:後輪を60:40から40:60の間で制御。コーナリング時は、ステアリングの切り始めはフロントを重視した70:30〜50:50、コーナー脱出時はリア寄りの50:50〜20:80とした。ピッチングを抑えながらトラクション性能を確保し、気持ちよく旋回できるようにした。
新開発のシリーズハイブリッドシステム「2.4L-T HEV」は、フロントに排気量2.4lのターボエンジンとモーター、6速ATを、リアにeAxleを搭載する。バッテリーには高出力なバイポーラ型ニッケル水素電池を使用する。同システムはエンジンとモーターの間にクラッチを配置。6速ATはトルクコンバーターの代わりにクラッチを採用し、モーターとトランスミッションを切り離せる。状況に応じて、エンジンとモーターの使い分けや統合ができる機構とした。エンジンの過給遅れを前後のモーターでアシストし、アクセル操作に対して加速の立ち上がりが速く、ダイレクトに感じられるようにした。高回転域では、ターボエンジンとeAxleによって力強くのびやかな加速を実現する。
また、RX500hでは、前後独立の油圧制御によって前後回生協調が可能な加圧ユニットを採用し、より自然なブレーキフィーリングを実現した。加圧ユニットによって前後独立の油圧制御を行うことで、ドライバーのブレーキ操作量に応じて前後輪の制動力配分を最適化するブレーキ車両制御を採用している。制動によってタイヤに発生する力を最適に利用することで、減速から旋回までシームレスにつながるようにした。さらに、後輪転舵角を拡大したダイナミックリアステアリングも新たに採用。低速では旋回性や取り回しの良さを向上、高速域では車両の安定性を高める。
4WDシステムは合計3種類
PHEVのRX350h+には容量18.1kWhのリチウムイオン電池を搭載した。走行モードは「EVモード」、ナビゲーションで設定した目的地に向けて、電池の残量や道路に合わせてEVモードとHVモードを切り替える「オートEV・HVモード」、エンジンとモーターで加速性能を発揮する「HVモード」と「セルフチャージモード」の4つ。4WDシステムは「E-Four」で、前後トルク配分を100:0から20:80の間で制御する。
エンジン車のRX350の4WDモデルには、電子制御フルタイムAWDを採用した。リアディファレンシャルに備えた電子制御カップリング(湿式多板クラッチ)を介して前後の駆動力を配分する。75:25から50:50まで走行シーンに合わせて常時可変とした。
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