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逆仰角切断方式を採用、切断バリを低減する大型コラム材切断バンドソー:FAニュース
アマダマシナリーは、逆仰角切断方式により切断バリを低減する、大型コラム材切断バンドソー「HK-1000W」を開発した。ブレードの刃で材料をかき上げるため、切断面のバリを抑制し、次工程のバリ取り作業を軽減できる。
アマダマシナリーは2022年4月27日、逆仰角(ぎゃくぎょうかく)切断方式により切断バリを低減する、大型コラム材切断バンドソー「HK-1000W」を開発したと発表した。同年9月から販売を開始し、価格は5800万円(税別)。年間6台の販売を目指す。
従来の鋼材切断マシンとは逆になる、右上がりの角度による切断方式を採用。ブレードの刃で材料をかき上げるため、切断面のバリを抑制し、次工程のバリ取り作業を軽減できる。
独自のCNC制御装置を搭載しており、入力した材料の情報に応じてブレードの回転スピードや降下スピードを自動で調整する。加工時間を従来に比べて約35%短縮するため、消費電力の削減にもつながる。
マシンに材料を送り出す際に長さを計測する自動測長装置に、独自の機構を採用する。材料に追従して測るため、材料の反りやねじれ、表面状態の影響を受けにくい。重い材料でも安定した寸法精度で切断できる。
切断時の切粉の巻き込みを抑制するほか、チップコンベアを改良して切粉の排出能力も高めた。また、微量の油を吹き付けるセミドライ方式により、切削油の飛散を防止するなど、作業環境の改善に寄与する。
サイズは4704×2144×3954mm、本体質量は8000kg。コラム材150×150〜1000×1000mmの切断能力を有する。
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