ニュース
自動化やIoT技術などを導入したGISの新工場が完成、生産能力を1.5倍に:工場ニュース
日新電機の前橋製作所内に建設していたガス絶縁開閉装置の生産工場が完成し、順次稼働を開始した。製品を一貫して流せる生産ラインを構築しており、GISの生産能力を2018年度に比べて最大で約1.5倍に増強した。
日新電機は2022年4月5日、前橋製作所(群馬県前橋市)内に建設していたガス絶縁開閉装置(GIS)の生産工場が完成したと発表した。同月6日より、順次稼働を開始している。自動化、IoT(モノのインターネット)技術を導入したスマート工場で、今後、前橋製作所を皮切りにスマート工場の全社展開を図っていく。
新工場は約35億円を投資し、2021年2月に着工。鉄骨造、地上2階建てで、延床面積は約9800m2、建築面積は約7660m2となる。同社のGISは、世界最小クラスの超縮小形「XAE7」や、電力会社向け「GF7」、風力発電やメガソーラーの連系設備として数多く導入されている。
建物や設備を刷新しており、工場内の物流効率を向上。製品を一貫して流せる生産ラインを構築し、GISの生産能力を2018年度に比べて最大で約1.5倍に増強した。
また、動線やクレーン移動の削減、検査の自動化、主作業や付帯作業をSDGsの視点から改善し、電力使用量を1ユニット当たり約30%削減した。設備の導入により、SF6ガスも削減している。
生産ラインには、ネットワークカメラを設置している。大型モニターを各職場に設置し、製品の製作状況や生産設備稼働状況を見える化した。IoTを積極的に導入することで生産性を高め、リードタイムを短縮する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- スマート工場化は次段階へ、AI活用の定着とアプリケーション拡大に期待
スマート工場化の動きは着実に広がっている。その中で2022年はAIを活用した「アプリケーションの拡大」をポイントにデータ活用のさまざまな形が広がる見込みだ。 - スマート工場は“分断”が課題、カギは「データ取得」を前提としたツールの充実
工場のスマート化への取り組みは2020年も広がりを見せているが、成果を生み出せているところはまだまだ少ない状況だ。その中で、先行企業と停滞企業の“分断”が進んでいる。新型コロナウイルス感染症(COVID−19)対応なども含めて2021年もスマート工場化への取り組みは加速する見込みだが、この“分断”を解消するような動きが広がる見込みだ。 - スマートファクトリー化がなぜこれほど難しいのか、その整理の第一歩
インダストリー4.0やスマートファクトリー化が注目されてから既に5年以上が経過しています。積極的な取り組みを進める製造業がさまざまな実績を残していっているのにかかわらず、取り組みの意欲がすっかり下がってしまった企業も多く存在し2極化が進んでいるように感じています。そこであらためてスマートファクトリーについての考え方を整理し、分かりやすく紹介する。 - エッジは強く上位は緩く結ぶ、“真につながる”スマート工場への道筋が明確に
IoTやAIを活用したスマートファクトリー化への取り組みは広がりを見せている。ただ、スマート工場化の最初の一歩である「見える化」や、製造ラインの部分的な効率化に貢献する「部分最適」にとどまっており、「自律的に最適化した工場」などの実現はまだまだ遠い状況である。特にその前提となる「工場全体のつながる化」へのハードルは高く「道筋が見えない」と懸念する声も多い。そうした中で、2020年はようやく方向性が見えてきそうだ。キーワードは「下は強く、上は緩く結ぶ」である。 - 工場自動化のホワイトスペースを狙え、主戦場は「搬送」と「検査」か
労働力不足が加速する中、人手がかかる作業を低減し省力化を目的とした「自動化」への関心が高まっている。製造現場では以前から「自動化」が進んでいるが、2019年は従来の空白地域の自動化が大きく加速する見込みだ。具体的には「搬送」と「検査」の自動化が広がる。 - 見えてきたスマート工場化の正解例、少しだけ(そもそも編)
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについて、話題になったトピックなどに応じて解説します。第28回となる今回は、スマート工場化において見えてきた正解例について前提となる話を少しだけまとめてみます。 - いまさら聞けない「マスカスタマイゼーション」
IoT(モノのインターネット)活用などで実現するスマートファクトリーの理想像とされる「マスカスタマイゼーション」。このマスカスタマイゼーションとは何かを5分で分かるように簡単に分かりやすく解説します。