積層痕の美を生かすeスポーツ用インテリアの実現に向けて超大型3Dプリンタ活用:3Dプリンタニュース
ExtraBoldは、前田技研のMG東京ファクトリーと共同で、eスポーツ専用インテリア「GT EXPERIENCE CONCEPT」の開発と製作を行った。D-WEBERの自社プロジェクトブランド「4DESIGN by DW」の取り組みとして企画されたもので、自動車フォトグラファーの北畠主税氏がプロデューサーを務め、D-WEBER 代表取締役の水野健一氏がデザインを担当。コンセプトモデルの製作には、ExtraBoldの大型3D付加製造機「EXF-12」が用いられた。
ExtraBoldは2022年4月27日、前田技研の東京拠点であるMG東京ファクトリーと共同で、eスポーツ専用インテリア「GT EXPERIENCE CONCEPT」の開発と製作を行ったことを発表した。
ExtraBoldと前田技研のMG東京ファクトリーが開発と製作を支援したeスポーツ専用インテリア「GT EXPERIENCE CONCEPT」の設置イメージ[クリックで拡大] 出所:ExtraBold
GT EXPERIENCE CONCEPTは、eスポーツを「もっともっと楽しみたい!」という心の高ぶりを美しい立体で表現した、アート作品ともいえるユニークなeスポーツ向けデザインインテリア。2つのパネルから構成され、市販のレーシングゲームフレームやソファの両サイドに配置することで、スタイリッシュかつタイトな没入空間を作り出せるのが特長である。
プロダクトデザインを手掛けるD-WEBERが、自社プロジェクトブランド「4DESIGN by DW」の第7弾の取り組みとして、GT EXPERIENCE CONCEPTを発表。自動車フォトグラファーの北畠主税氏がプロデューサーを務め、D-WEBER 代表取締役の水野健一氏がデザインを担当した。
そして、GT EXPERIENCE CONCEPTのコンセプトモデルの開発および製作を、ExtraBoldと、ExtraBoldが開発した大型3D付加製造機(3Dプリンタ)「EXF-12」のユーザーであり、造形受託サービスを展開する前田技研のMG東京ファクトリーが支援した。
「GT EXPERIENCE CONCEPT」のプロジェクトメンバー。写真一番左が自動車フォトグラファーの北畠主税氏、右から3番目がD-WEBER 代表取締役の水野健一氏[クリックで拡大] 出所:ExtraBold
GT EXPERIENCE CONCEPTのコンセプトモデルのサイズは、奥行き1800×高さ1350×厚み(片側)150mmで、重量(片側)が約15kg。造形にはEXF-12が用いられ、質感と使用時の安全性などを考慮し、材料は軟らかい材質のエラストマーを採用した。同コンセプトモデルは一体造形ではなく、複数のパーツに分割してEXF-12で造形され、その後、塗装処理が施されている。
デザインを手掛けた水野氏は「積層痕があっても美しい、積層痕があるから価値があるデザイン」「製法が何であれ、誰もが驚くブッチギリにカッコいいもの!」というコンセプトの下、アイデアスケッチを作成。開発/製作メンバーは水野氏との打ち合わせを実施してからわずか3日後には実寸大テストピースの造形を完了させ、その後の開発プロジェクトの加速につなげることができたという。
開発/製作の過程では、水野氏の初期コンセプトイメージに近づけながら造形性や仕上がりを追求。特に「どこでパーツを分割するか」がキーポイントとなり、試行錯誤を繰り返し、分割したパーツ同士のすり合わせや造形欠陥と格闘しながら、最終デザインの確定までこぎ着けた。最終デザインの造形時間は、左右のパネル合計で約120時間かかり、デザイン面で一部修正が必要な箇所がありながらも、想定していたコンセプトイメージはほぼ踏襲できたとしている。
今後は、4DESIGN by DWが中心となり、GT EXPERIENCE CONCEPTの製品化と販売を進めていく予定。2022年秋ごろの販売開始を目標に掲げる。製品化に向けては、ExtraBoldと前田技研のMG東京ファクトリーも引き続き協力する。製品化後の販売先メインターゲットとしては、自動車、レース関係者、eスポーツ会場、カーディーラーなどを想定し、年間10〜15台程度の販売を目指すという。
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