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ロボットによる画像検査の立ち上げ期間を90%削減、オムロンが仮想教示機能を追加FAニュース

オムロンは2022年4月15日、ロボット統合コントローラーの新機能として、ロボットのティーチング作業の負荷を大幅に低減するバーチャルティーチング機能をリリースした。条件によっては、生産設備立ち上げ期間を90%削減できるという。

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 オムロンは2022年4月15日、ロボット統合コントローラーの新機能として、ロボットのティーチング作業の負荷を大幅に低減するバーチャルティーチング機能をリリースした。条件によっては、生産設備立ち上げ期間を90%削減できるという。

 製造現場では、熟練技術者の不足に加え、出荷前の検査項目の増加や複雑化が進み、負荷が高まっている。出荷前検査は自動化が難しい領域も多く、人手に頼った検査が中心となってきた。また、自動化を進めようとしても、設備開発の負荷が高く、簡単に導入できない点が課題となってきた。オムロンが新たにリリースしたオフライン教示機能は、仮想環境でシミュレーションを行うことでこれらの検査自動化の負荷を軽減するものだ。

 新たにリリースしたバーチャルティーチング機能は、オムロンが2020年7月に発売した「ロボット統合コントローラー」とそのシミュレーションソフトウェア「Sysmac Studio 3D シミュレーション」を前提としたものだ。同シミュレーションソフトで製品検査のためのカメラを取り付けたアームロボットの動作をバーチャルでティーチングすることが簡単に行えるようになる。

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オフライン教示機能を拡充したシミュレーションソフトウェア「Sysmac Studio 3Dシミュレーション」の画面イメージ 出所:オムロン

 具体的には、仮想撮影機能により、撮影状態をオフライン上で確認できるため、カメラ位置や画角が正しいか判断できる。また、対象物へのスナップ機能(位置教示)により、ロボットのハンド位置やカメラの焦点位置を正確に指定することができる。カメラ、ロボット、検査ワークの座標を自動演算しロボットの移動位置を教示できる。また、ロボットパスプランニング機能により、ロボットハンドやワークを持った状態で障害物を回避する経路が自動生成できるため、ロボットのティーチング作業をより早く行えるようになる。

 例えば、20〜30点の検査項目がある自動車部品のティーチングは、従来の現物、実機での準備作業では、ほぼ1日が必要だったが、新たなバーチャルティーチング機能を活用すると、現地に行く必要なく、約1時間で完了する。また、遠隔での立上げや、PC上で事前準備が行えるため、現場作業は微調整のみとなり、現場作業の負荷軽減にもつながる。さらに、今までティーチングには、検査対象となる実物の製品が必要だったが、製品設計中でもCADデータがあれば、検査対象をバーチャルで3D化し、ティーチングを行えるため、設備立ち上げ期間の大幅な短縮になるとしている。主に自動車部品向けをメインターゲットとし、2022年度(2023年3月期)で250本の販売を目指すとしている。

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