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サプライチェーン全体のCO2排出量予測、最適な製販計画を導く新サービス脱炭素

日立ソリューションズは2022年4月19日、サプライチェーンをデジタルツインで再現して利益やコストをシミュレーションする「グローバル SCM シミュレーションサービス」に、CO2など温室効果ガスの排出量をシミュレーションする機能を追加したと発表した。

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 日立ソリューションズは2022年4月19日、サプライチェーンをデジタルツインで再現して利益やコストを推定する「グローバル SCM シミュレーションサービス」に、CO2など温室効果ガス(GHG)の排出量を算定する機能を追加したと発表した。

1製品当たりの排出量を算出

 新機能の名称は「温室効果ガス排出量シミュレーション機能」という。事前に設定したマスター情報を用いて、原材料の調達から生産、輸送、販売の各工程におけるCO2排出量を算定する。この情報を基に、将来のサプライチェーン全体におけるCO2排出量のシミュレーションを行う。事前にサプライチェーン全体でのCO2排出量について上限値を設定しておくことで、これを制約条件とした上で、利益を最大化し得る、製品販売、供給計画の導出が可能になる。


温室効果ガス排出量シミュレーション機能の基本概要[クリックして拡大] 出所:日立ソリューションズ

 CO2排出量のシミュレーションを実行するには、まずCO2排出量の算定範囲を決定する。GHGプロトコルで定められたスコープ1、2に加えて、スコープ3のどのカテゴリーを対象とするかを決める必要がある。次に、シミュレーション用のマスターデータに入力するCO2排出量の情報取得先を選択して、連携する。連携先の主な候補としては、工場のエネルギー管理システム(EMS)や環境情報管理システム、温対法報告書などがある。サプライヤーや輸配送業者、工場からも情報取得を行い、原材料調達、生産、輸送、販売の各工程における排出量を算出する。


シミュレーション実行までの手順[クリックして拡大] 出所:日立ソリューションズ

 CO2排出量は1製品当たりで算出できるため、カーボンフットプリントの試算も可能である。例えば、工場での総CO2排出量を、BOM(部品表)や設備情報に基づき、1つの製品当たりの設備使用時間で案分し、製品ごとの排出量として算出する。

 日立ソリューションズ 産業イノベーション事業部 第1グループ グループマネージャの間嶋信介氏は「今後、製造業のサプライチェーンマネジメントでは、需要や売り上げ、利益、供給能力に関する従来のマネジメントに加えて、GHG排出量削減につなげるための取り組みも求められる。サプライチェーンのGHG排出量をモニタリングし、企業が定めたGHG排出量削減目標にギャップがあれば、改善のためのアクションプランを検討、実行していかなければならないが、この新たなプロセスは企業にとっての新たな負担となる可能性がある」として、今回の新機能などを通じて課題解決のための支援を進めたいと語った。

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