「コロナ禍のテレワーク」調査、テレワーク経験者は2019年の約10倍に:キャリアニュース
総合求人サイト「エン転職」が「コロナ禍のテレワーク」についての調査結果を発表。「テレワーク経験者」は31%で、新型コロナウイルス感染症拡大前の2019年と比べて約10倍に増加した。テレワークのメリット1位は「通勤ストレスがない」だった。
エン・ジャパンが運営する総合求人サイト「エン転職」は2022年4月13日、「コロナ禍のテレワーク」についてのアンケート調査結果を発表した。
同調査はエン転職のユーザーを対象としたもので、1万1605人から回答が得られた。初めに、「テレワーク制度を使って働いたことはありますか」と尋ねたところ、31%が「ある」と回答。「ある」が3%だった新型コロナウイルス感染症拡大前の2019年と比べて、テレワーク経験者が約10倍になっている。
年代別に見ると、30代はテレワーク経験者が33%となっており、全体平均の31%を上回っている。
次に、テレワーク経験者に、現在もテレワークを続けているか尋ねた。その結果、45%が「現在もテレワークを続けている」と回答した。「現在はテレワークを続けていない」は55%となっており、テレワークの定着には時間がかかることがうかがえる。
テレワークのメリット1位は「通勤ストレスがない」
また、テレワーク経験者にテレワークで感じたメリットを尋ねると、1位は「通勤ストレスがない」(86%)だった。2位は「コロナウイルス感染などのリスクを減らせる」(78%)、3位は「人間関係のストレスがない」(40%)となっている。
メリットの1位「通勤ストレスがない」についての具体的なコメントには、「通勤時間を資格の勉強時間に当てられた」「時間の節約となり、身体への負担も軽減される」などがあった。
「テレワークの働き方に満足していますか」という質問に対しては、「とても満足している」が36%、「やや満足している」が36%となり、72%が「満足している」と回答した。
続いて、「今後、テレワークで働きたいと思いますか(テレワーク経験者には引き続き働きたいと思いますか)」と尋ねたところ、全体では67%が「(テレワークで働きたいと)思う」と回答。年代別に見ると、20代は74%、30代は71%が「思う」と回答し、全体平均を上回った。40代以上は57%で、若い世代ほどテレワークを希望することが分かった。
今後テレワークで働きたいと回答した人に理由を尋ねた。最も多かったのは「通勤ストレスがないため」(82%)だった。次いで「コロナウイルス感染などのリスクを減らせるため」(67%)、「通勤時間を気にせず、住む場所を選べるため」(49%)となっている。
テレワークで働きたい理由の1位となった「通勤ストレスがない」について、具体的な理由を見ると、「宅配便などの受け取りもスムーズにできた。ワーケーションなども実践してみたいと思うから」「妻がエッセンシャルワーカーなので、(自分が)保育園のお迎えなどに行けてありがたいといわれている」などのコメントが寄せられている。
今後テレワークで働きたいと思わない、分からないと回答した人にも理由を尋ねた。最も多かったのは「仕事とプライベートをハッキリ分けられるか不安なため」(56%)だった。2位が「会社にいる時と同じ成果をテレワークで出せるかが不安なため」(34%)、3位が「社内の情報やノウハウを確認しにくくなるため」(28%)となった。
「仕事とプライベートをハッキリ分けられるか不安なため」と回答した人の具体的な理由を見ると、「家でZoomを使って仕事をしたことがあるが、気が緩んではかどらなかった」「仕事のオンとオフが分けられない」などのコメントがあった。
最後に、「テレワークができることは、転職先を選ぶ上で影響しますか」と尋ねたところ、「影響する」と「どちらでもない」がそれぞれ40%を占めた。年代別に見ると「影響する」が最も多かったのは、30代(45%)だった。
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