遠隔から指示を書き込めるAR遠隔支援ツールをMTSがサポートサービスに採用:VR/AR/MRニュース
サイバネットシステムが販売を手掛けるAR遠隔支援ツール「Vuforia Chalk」を、エムティエスジャパンがサポートサービスに採用した。現場のスマートフォンなどの画面を共有し、遠隔からリアルタイムで指示を書き込める。
サイバネットシステムは2022年4月4日、試験シミュレーションソリューションを提供するエムティエスジャパン(MTS)が、AR(拡張現実)遠隔支援ツール「Vuforia Chalk」をサポートサービスの1つとして採用したと発表した。PTCが開発したVuforia Chalkは、サイバネットシステムが国内の販売とサポートを担っている。
MTSは40年以上にわたり、各種試験装置を公的、学術機関や企業に供給している。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、顧客を訪問してのサポート業務が困難になったことからリモート対応が増えているが、現場の状況把握に時間がかかるなどの課題があった。
こうした課題を解決するため、ビデオ通話にAR技術を追加することで、顧客との円滑なコミュニケーションを図れるVuforia Chalkを採用。現場にいる顧客や担当者のスマートフォン/タブレット端末の画面を共有し、MTSの技術者が遠隔からリアルタイムで指示を書き込めるため、状況把握の迅速化と的確な指示が可能になる。
手持ちのデバイスで手軽に使用でき、マニュアルを見なくても直感的な操作が可能だ。遠距離の現場でも直接状況を見ることができ、移動や出張回数が減ることで、時間およびコスト削減が期待できる。
MTSでは、熟練者の支援を受けながら若手エンジニアが現場対応したり、米国本社とのコミュニケーションに活用したりするなど、問い合わせ対応の迅速化や正確性の向上も期待できるとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 製造業こそ「メタバース」に真剣に向き合うべき
2022年は「メタバース」に関するさまざまな技術やサービスが登場すると予想されます。単なるバズワードとして捉えている方も多いかと思いますが、ユースケースをひも解いてみると、モノづくりに携わる皆さんや設計者の方々にも深く関わっていることが見えてきます。一体どんな世界をもたらしてくれるのでしょうか。 - 日産がMR技術活用で外観目視検査の作業習熟期間を半減、指導工数は9割減
オンラインイベント「製造・自動車業界DXフォーラム2021」において、日産自動車は「【日産自動車が進める生産現場のDX】 Mixed Realityを活用した早期作業習熟の実現」と題し、2021年10月に発表した「ニッサンインテリジェントファクトリー」の取り組みの1つである「MR(複合現実感)を活用した革新的作業指導」について紹介した。 - トヨタが挑戦するxRを活用したもっといいクルマづくりとサービス提供
オンラインイベント「Unity道場 自動車編」において、トヨタ自動車 サービス技術部 主幹の栢野浩一氏が登壇し、「トヨタのxR活用で進める現場DXへの挑戦 〜UnityとHoloLens 2を用いて〜」をテーマに、販売店への展開を中心としたサービス技術領域における「HoloLens 2」を活用した取り組みや、xR技術の試行事例などについて紹介した。 - 工場やオフィスなど現実空間を対象にARコンテンツをレイアウトできる技術
PTCジャパンはメディア向けラウンドテーブルを開催し、同社の産業向けAR(拡張現実)ソリューション「Vuforia Studio」が提供する空間コンピューティング「Area Targets(エリアターゲット)」の特長やその可能性について説明した。 - 3D CADで作った3Dデータを生かし切るVRとARの進化
AI(人工知能)と同じく2016年にブームを迎えたVR(仮想現実)。2017年以降、このVRが、製造業や建設業の設計開発プロセスに大きな変化を与えそうだ。AR(拡張現実)についても、「デジタルツイン」をキーワードに3D CADで作成した3Dデータの活用が進む可能性が高い。 - 「VR=仮想現実感」は誤訳!? VRの定義、「製造業VR」の現状と課題
製造業VR開発最前線 前編では、VRやAR、MRの概要、製造業向けVRの他の分野のVRとは異なる特徴、これまでの状況などを説明する。