OKIがインフラ監視用高感度カメラを“ゼロエナジー”に、防災DX事業を拡大:製造業IoT(2/2 ページ)
OKIは、太陽光発電により駆動する外部電源が不要な「ゼロエナジー高感度カメラ」を発売する。カメラモジュールを独自開発することで消費電力を約3分の1に低減するなど省電力化を図り、連続不日照9日間のカメラ撮影とデータ送信を実現した。併せて、クラウドベースのインフラモニタリングサービス「monifi」の販売も開始する。
「monifi」は計測値のモニタリング手法を標準搭載
一方のmonifiは、橋りょうなどインフラ構造物の劣化について予測/予防保全するためのインフラモニタリングサービスになる。高度成長期に敷設された国内の社内インフラの多くは、建設後50年を経過し老朽化が進んでいる。これらの維持管理コストを削減するためには、予防保全型メンテナンスにより小さな補修を重ねて長く使う必要があり、そのためにもインフラモニタリングは必須だ。また、近年の頻発する大規模な風水害への効果的な対策でも、気象変動に応じたリアルタイムなインフラの異常検知が求められている。
この予防保全型メンテナンスとリアルタイムなインフラの異常検知の両方に対応するために開発されたのがmonifiである。その特徴は「始めやすい(Agility)」「拡張しやすい(Scalability)」「把握しやすい(Usability)」の3つだ。
「始めやすい」では、1台のセンサーからモニタリングが可能であるとともに、モニタリング技術組合(RAIMS)が定めたガイドラインに基づく計測値のモニタリング手法を標準搭載しているので、インフラの現在の状態を簡単に「見える化」できる。「拡張しやすい」では、OKIのゼロエナジーゲートウェイに加えて、MQTTでのデータ出力が可能なセンサー製品と連携が可能であり、センサーに合わせてモニタリング手法も簡単に拡張できる。そして、「把握しやすい」では、各現場に合わせて高い自由度で画面を構成できるダッシュボードとともに、メールによるアラート通知などでの現場担当者とのタイムリーな情報共有がが挙げられる。
monifiの価格(税別)は、初期費用10万円+1センサー当たり月額1万5000円となっている。
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