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半導体製造装置向け高周波電源システム増産、生産能力を2倍に:工場ニュース
ダイヘンは、半導体製造装置向け高周波電源システムを増産するため、子会社であるダイヘン産業機器への投資を実施する。工場の増築やさらなる自動化を進めることで生産能力の増強と効率化を図り、今後の需要拡大に対応する。
ダイヘンは2022年2月15日、半導体製造装置向け高周波電源システムを増産するため、鳥取市にある100%子会社ダイヘン産業機器の工場を増築すると発表した。工場の増築工事は2023年9月、設備導入と移設は2024年3月に完了する予定。順次稼働を進めながら、2024年4月の本格稼働を目指す。
ダイヘン産業機器はこれまで、半導体製造装置向け高周波電源システムの増産に対応すべく、工程配置の工夫や自動化による効率化、ピーク時の2交替勤務などを実施してきた。半導体は、5GやIoT(モノのインターネット)など情報通信技術の普及により、さらなる需要の増加が予測されることから、ダイヘンは工場の増築や自動化の推進により生産能力を増強し、効率化を図る。
I期投資として、現工場に隣接する2階建て建屋(延床面積8500m2)を増築し、生産スペースと在庫保管場所を確保。さらに、工程配置の最適化に加え、自動倉庫や自動搬送設備を導入し、生産効率を向上する。II期投資は主に自動検査設備の増設を計画しており、状況を見ながら順次実施する。
I期投資は約38億円、II期投資は約12億円規模になる予定で、I期投資で生産能力を約1.4倍(売上高500億円相当)に、II期投資で約2倍(売上高700億円相当)に引き上げる狙いだ。
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