自動運転車の性能向上に貢献するエンジニアリング総合施設、開発環境が整う:車載ソフトウェア
ホリバMIRAは、CAVやADASを開発するため英国に開設したエンジニアリング総合施設「ASSURED CAV」において、高度なシミュレーションシナリオとエンジニアリングサービスの提供体制が整ったと発表した。
ホリバMIRAは2022年2月17日、コネクテッド自動運転車(CAV)や先進運転支援システム(ADAS)を開発するため英国に開設したエンジニアリング総合施設「ASSURED CAV」において、高度なシミュレーションシナリオとエンジニアリングサービスの提供体制が整ったと発表した。
ASSURED CAVは、英国が推進する「Midlands Future Mobility(MFM)プロジェクト」の一環として開設された、自動運転車専用のテスト施設。デザインコンセプト、シミュレーションから試験、評価まで包括的にサポートする。走行試験には、高速道路を含む、英国ミッドランド地域の約200マイル(約320km)の公道を使用し、モバイルファサード(可撤型疑似建築物)を利用した専用コースも設置している。実路だけでなく、仮想空間でのシミュレーション試験も可能だ。
今回、実路と仮想空間において、LiDAR、レーダー、カメラなどCAVやADASに必要なシステムとの連携を検証し、死角エリアや交差点、急に方向転換する車両など、危険かつ複雑な条件のシミュレーションシナリオが正確に機能することを確認した。
同社はASSURED CAVの機能を活用することで、一般道で想定されるさまざまなシナリオを再現するだけでなく、多彩なシミュレーションシナリオを開発し、再現性の高い検証ができるエンジニアリングサービスを提供する。
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