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AI技術と専門家の知見を融合した病理診断AIモデルを開発医療機器ニュース

産業技術総合研究所は、AIによる特徴抽出技術と高い専門性を持つ医師の知識を融合する手法「MIXTURE」を開発した。また、MIXTUREを応用して、診断が難しい通常型間質性肺炎の診察根拠を説明できる高精度な病理診断AIモデルを作成した。

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 産業技術総合研究所は2022年2月18日、AI(人工知能)による特徴抽出技術と高い専門性を持つ医師の知識を融合させ、診察根拠を説明できる高精度な病理診断AIモデルを開発したと発表した。長崎大学らとの共同研究による成果だ。

 現在、一般的に画像認識に用いられるAI技術はDCNN(深層畳み込みニューラルネットワーク)で、画像と正解の組み合わせに基づいて学習を実施する。そのため予測精度が高い一方で、なぜその答えにたどり着くのかという説明性が低いという特徴がある。

 今回開発した手法「MIXTURE(huMan In-the-loop eXplainable artificial intelligence Using REcurrent training)」では、医師の経験や知見に基づいて、診断に影響を与えない着眼点を除いたり、見た目が違っていても同じ現象を表す特徴量を統合したりすることで、医学的な知見をAIの判断に反映させた。医学的知見とAIの判断の関連が明確になったことで、医師はAIの診断が適切であるかを判断できる。

 MIXTUREを応用して、致死率が高く診断が難しい通常型間質性肺炎を診断するAIモデルを開発したところ、医師の知見を取り入れていない説明可能なAIモデルと比べて、高い精度を示すことが確認された。産業技術総合研究所によると、病理診断を基に間質性肺炎を診断するAIモデルは、世界初となる。

 AIによる診断はさまざまな分野で活用されているが、医療分野においては、なぜその診断になるのか判断根拠が重要になる。今後、MIXTUREの適用領域の拡大や、MIXTUREを応用した、間質性肺炎以外の疾患向けAIモデルの開発が期待される。

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