豊富な解析機能や最適化機能を備えた光学設計ソフトウェアを発売:CAEニュース
サイバネットシステムは、Zemaxが開発する光学設計ソフトウェア「OpticStudio」の取り扱いを開始した。多様な光学系の性能評価に対応し、ユーザーが設定した条件や性能の目標を満たすため、形状と材質を最適化できる。
サイバネットシステムは2022年2月21日、Zemaxが開発する光学設計ソフトウェア「OpticStudio(オプティックスタジオ)」の販売開始を発表した。
OpticStudioは、さまざまな解析機能や最適化機能を備え、航空宇宙から天文学、自動車、家庭用電化製品、生物医学研究まで、多様な業界で活用されている。サイバネットシステムが取り扱う光学CAEソリューション「Ansys Speos」「Ansys Lumerical」との連携解析もでき、照明光学や電磁場光学、結像、波動光学など、幅広い光学製品の設計、開発をサポートする。
複雑な面形状を含む結像光学系から照明系まで、迷光の影響を含めた光学系の性能評価に対応する。また、ユーザーの設定条件や性能目標を満たすため、形状と材質を最適化できる。設計データを用いた公差解析で実製品の性能を事前に把握でき、設計上と実製品の性能の差を抑え、試作製造や設計の手戻りを削減する。
オプションで、構造や熱の性能分析を支援する拡張モジュール「OpticStudio STARモジュール」を用意。部品の構造や熱によって生じる負荷が光学設計に与える影響をOpticStudio内で可視化し、FEA(有限要素解析)データセットに基づく構造、熱、光学性能分析を実施できる。
OpticStudioの光学設計データをCADデータに変換する光学メカ設計ソフトウェア「OpticsBuilder」や、OpticStudioで作成した設計データを製造現場で確認できる光学設計データビューア「OpticsViewer」もオプションで提供する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- カシオが電子キーボードの鍵盤構造の変更にCAEを活用、その効果と展望
電子楽器開発で40年以上の歴史を誇るカシオ計算機は、グリッサンド奏法の操作性を維持するために採用してきた旧来の鍵盤構造を見直すべくCAEを活用。新たなヒンジ形状を導き出し、作りやすい鍵盤構造を実現することに成功した。その取り組み内容とCAE活用の展望について担当者に話を聞いた。 - フォークボールはなぜ落ちる? スパコンによる空力解析で謎を初めて解明
野球のピッチャーの決め球、フォークボールはなぜ落ちるのか? これまでボールの回転数が少ないことで自然落下による放物線に近い軌道を描くとされていたが、東京工業大学 学術国際情報センター 教授の青木尊之氏を代表とする研究チームがスーパーコンピュータ「TSUBAME3.0」による数値流体シミュレーションを実施し、その謎を初めて解明した。 - 「富岳」で新型コロナ飛沫の大量計算を実施、感染リスクはどこにある?
理化学研究所のスパコン「富岳」を用い、コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する飛沫の飛散シミュレーションが実施されている。理化学研究所が独自開発する流体シミュレーションソフトウェア「CUBE」による飛散シミュレーションの概要、注目すべき結果などについて、理化学研究所 計算科学研究センター チームリーダー/神戸大学大学院システム情報学研究科 教授の坪倉誠氏に話を聞いた。 - ヤマ発が語る、バイク開発に不可欠な「ほこり入り解析」の新手法とその妥当性
ヤマハ発動機は、オンラインイベント「3DEXPERIENCE CONFERENCE JAPAN 2020 ONLINE」において、「モーターサイクルのほこり入りCFD解析について」と題し、CFDソリューション「PowerFLOW」をモーターサイクル(オートバイ)開発に適用した取り組みについて紹介した。 - シミュレーション主導設計の実現に向けた八千代工業の挑戦
八千代工業は、ダッソー・システムズ主催の「Dassault Systemes User Conference 2019」において、「CATIA、Abaqus、Isightを使った樹脂製燃料タンクの最適設計技術の構築と設計者展開」をテーマに講演を行った。 - 仮想実験室からデジタルツインへ、富岳が実現する自動車業界のCAEの形とは
ヴァイナスのユーザーイベント「VINAS Users Conference 2019」で、理化学研究所 計算科学研究センター・神戸大学大学院システム情報学研究科 計算科学専攻 チームリーダー・教授/博士(工学)の坪倉誠氏が登壇し、「HPCシミュレーションとデータ科学の融合による新たな自動車空力について」をテーマに講演を行った。