ソラコムのサービスと日立のノウハウを融合、IoT導入プロセスを短縮へ:製造業IoT
日立製作所とソラコムは、両社が協業して提供するIoTサービスを強化すると発表した。日立のIoT活用サービス「Hitachi Global Data Integration(HGDI)」とソラコムのIoTプラットフォーム「SORACOM」を組み合わせることによりHGDIのラインアップを強化する。
日立製作所(以下、日立)とソラコムは2022年2月21日、両社が協業して提供するIoT(モノのインターネット)サービスを強化すると発表した。日立のIoT活用サービス「Hitachi Global Data Integration(HGDI)」にソラコムのIoTプラットフォーム「SORACOM」を組み合わせることにより、実績ある事例を基にIoTの導入プロセスを短縮する「HGDI Connect」と業界特有の課題解決を支援するサービス「HGDI Pro」を、HGDIのラインアップに新たに追加する。また、今回のサービス拡充に合わせて、日立とソラコムによるキャンペーン「無償IoT導入コンサルティングサービス」を行う。
両社は2021年6月、日立からソラコムへの出資を含めた業務提携を締結している。今回のHGDIのラインアップ強化は、業務提携による具体的な成果の第1弾であり、顧客が自身で設計や設定などを行うセルフセットアップ型で展開してきたソラコムのサービスに、日立のネットワークインテグレーションのノウハウを掛け合わせることで“早く、手軽で、柔軟な”IoTサービスを提供する狙いがある。
新サービスのHGDI Connectは、これまで両社が顧客に導入した実績のあるIoTを活用した事例(レシピ)を基に必要な部品(デバイス、ネットワークやアプリケーション)を組み合わせて提供するIoTサービスである。ソラコムが提供するデバイスやコネクティビティを活用し、IoTシステム構築のコンサルティングからシステムインテグレーションは日立が提供する。これにより、製造業などのIoT導入で課題のあったPoC(概念実証)や事業計画、環境構築などの一連のプロセスを効率化できるようになるという。
HGDI Connectのサービス提供は2022年2月28日に開始する。価格(税別)は、回線利用料が月額50円から、デバイスが1台当たり1万1000円から、システムインテグレーションは個別見積もりとなる。
一方、HGDI Proは業界ごとの固有の課題を解決するサービスである。今回は、医薬品や食品の輸配送におけるHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point、ハサップ)対応向けに、IoTを活用して温度管理を支援する「HGDI Pro for コールドチェーン」の提供を発表した。同サービスでは、配送品の品質維持に向け、倉庫や集配車両に取り付けたセンサーから、温度や位置情報、加速度などのIoTデータを収集し、蓄積・可視化することで、温度の異常通知や、遠隔からの温度監視などを実現する。価格は個別見積もり。また、今後さまざまな業界ニーズに応じて「HGDI Pro」のサービス拡充を図っていくとしている。
これまでHGDIで提供してきた、データの収集や蓄積、可視化のサービスについては、ラインアップ拡充に合わせて「HGDI Essential」という名称で提供を継続する。クラウドなどを含めたデバイス1台当たりの月額利用料(税別)は1980円(最低契約数は200回線から)で変更はない。
今回のサービス拡充に合わせて行う無償IoT導入コンサルティングサービスでは、日立とソラコム両社のIoT有識者が参加し、顧客の課題把握からIoT活用の導入検討に関する各種支援を無償で提供する。申込期限は2022年3月31日までだが先着順となっており、予定数に達した場合は申し込みを終了するとしている。
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