自動車車体の軽量化がもたらす温室効果ガス削減効果の定量評価を開始:脱炭素
日本製鉄は、同社が提案する自動車車体などの軽量化ソリューションについて、温室効果ガス排出量削減効果の定量評価を開始した。軽量化などを提案する際に、排出量の削減効果がどのくらい見込めるのかを明確化する。
日本製鉄は2022年1月24日、同社が提案する自動車車体などの軽量化ソリューションについて、温室効果ガス排出量削減効果の定量評価を開始したと発表した。
同社は、次世代鋼製軽量自動車のコンセプトである「NSafe-AutoConcept(NSAC)」に基づき、自動車のライフサイクル全体での温室効果ガス削減に取り組んでいる。同社が自動車車体や構成部材の軽量化などを提案する際に、温室効果ガス排出量削減に対して具体的にどれだけの効果が見込めるのかを明確化するため、部材の設計段階でLCA(ライフサイクルアセスメント)を用いて温室効果ガス排出量削減効果を定量評価することにした。
評価には、WorldAutoSteelが公開する「UCSBモデル5」を用いて、自動車部材のみの温室効果ガス削減寄与分を抽出する。UCSBモデルは、カリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)が開発した自動車LCA計算モデルで、鉄鋼やアルミ合金など、素材ごとに異なる温室効果ガス排出原単位の影響を考慮して評価できる。また、素材の構成比がもたらす温室効果ガス排出量への影響も検討可能だ。
同モデルを用いて、NSACに基づいた2.0GPa級ホットスタンプ材を用いたNSAC鋼製軽量バンパービーム、同軽量バンパービームと性能が同等のアルミ押し出し材バンパービーム、従来型の鋼製バンパービームの3種で温室効果ガス排出量を比較した。
その結果、NSAC鋼製軽量バンパービームの排出量が最も少ないことが分かった。軽量化によって素材使用量が減少したことで、原料の採掘や加工、走行時の温室効果ガスの排出量を削減できた。
同社は脱炭素社会に向け、今後も車体軽量化や製品ライフサイクルでの温室効果ガス排出量を削減するソリューションを提案していく。
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