エッジデバイスを遠隔管理するIoT基盤、NTTコムが「SDPF Edge」提供開始:エッジコンピューティング
NTTコミュニケーションズは2022年1月18日、データ利活用基盤である「Smart Data Platform」において、新たにエッジコンピューティングサービス「SDPF Edge」を提供開始すると発表した。SDPFのサービスなどをオンプレミス環境で実行可能にする。
NTTコミュニケーションズは2022年1月18日、データ利活用基盤である「Smart Data Platform」(以下、SDPF)において、新たにエッジコンピューティングサービス「SDPF Edge」を提供開始すると発表した。SDPFのサービスなどをオンプレミス環境で実行可能にする。
エッジコンピューティング導入の既存課題を解決
SDPFは企業内に点在するデータの収集、蓄積、分析といった機能を実現するサービス群を統合したプラットフォームである。データ利活用、クラウド/サーバ、ネットワーク、IoT(モノのインターネット)といったカテゴリーに対応するサービスをワンストップで提供することで、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に貢献する。今回発表されたSDPF Edgeは、SDPFのIoT関連の機能を実現する商材群の1つとして提供される。
SDPF Edgeは、エッジコンピューティング環境をオンプレミスでセキュアに実現できるサービスだ。エッジコンピューティングはIoTデバイスなどを工場などの現場環境に設置して、データを収集し、付近にあるサーバ上に転送することで、大容量かつ低遅延のデータ通信を実現する技術として近年注目されている。
ただ、実現においていくつかの課題を抱える企業もある。例えば、エッジデバイスは複数の拠点に設置することになるが、その管理が複雑化してしまうため、デバイスに搭載したアプリケーションのアップデートに手間が掛かりやすい。また、エッジデバイス上で稼働するアプリケーションとクラウドサービスを連携する場合には、クラウドとオンプレミス環境を考慮したソリューションの全体設計が必要になる。加えて、トラブル発生時には設置場所に直接赴いて修理しなければならず、サポート体制が煩雑になりかねないといった問題もある。
SDPF Edgeはこれらの課題を解決する。クラウド上にある「SDPFコントローラー」を通じて、各エッジデバイスに搭載されたアプリケーションのカタログ化、バージョン管理やアップデート配信などを遠隔かつ面倒な設定操作を行わずに済むゼロタッチプロビジョニングで行えるようになる。
SDPFコントローラーをはじめ、クラウドサービスとエッジデバイス間の通信は閉域網である「Flexible InterConnect」(以下、FIC)を通じて、セキュアなオンプレミス環境下で行える。エッジデバイス側で収集したデータを前処理することで、クラウドとの通信の際にも必要最小限のデータのみを転送できる。ネットワーク使用の効率化、通信料の削減にもつながる。
また、NTTコミュニケーションズ データプラットフォームサービス部 担当課長の竹中康博氏は、一般的なエッジコンピューティングサービスと異なる、SDPF Edge独自の特徴について、「SPDFのサービス群に共通のハードウェア、ソフトウェア基盤を使っているため、アプリケーション管理や保守運用の面で利点がある。また、当社がエッジデバイスからネットワーク、クラウドサービスまでフルスタックで提案できる点もメリットだ」と説明した。
ユースケースとしては、IoTデバイスを搭載した工作機器のAI(人工知能)制御をエッジデバイスとクラウドで分散化する、また、監視カメラのデータを端末上で処理した上で、異常時のみクラウドにデータを転送するといったものが想定されるという。
利用料金はサーバタイプやCPU数、メモリ容量、ストレージ要領に応じた3つのプランがあり、ラックマウント/32コア/128GB/3.84TB(SSD)は12万3600円(税別、以下同)、ラックマウント/16コア/128GB/0.96TB(SSD)は8万5100円、といったボックス/8コア/132GB/1TB(HDD)は4万7700円。
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