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産業用IoTの本命か、FPGAはエッジコンピューティングの勝利者となる?エッジコンピューティング(1/3 ページ)

インダストリー4.0や産業用IoTなど製造現場のIoT活用が活発化している。その実現のカギを握る要素の1つがエッジコンピューティングである。FPGA大手のザイリンクスは「エッジコンピューティングにFPGAは最適だ」と主張し、産業用IoTへの提案を強化する。

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 製造現場の各種機器に設置されたセンサーが通信機能を持ち、そこから取得した全てのデータを無線でクラウド基盤に送信。そのデータを恵まれたコンピューティングパワーで解析し、新たな知見を現実世界にフィードバックする――。製造現場向けIoTの理想像として描かれる「サイバーフィジカルシステム(CPS)」の姿だ。

 しかし、この構造を実現するのは現実的ではないとされている。ボトルネックになっているのが、データ通信の部分である。製造現場の各種センサーからリアルタイムにデータを取得し、それをクラウド基盤上に送りこむことを考えると、それほど複雑ではない製造ラインだったとしても、テラバイト(TB)単位のデータを1秒間に伝送することになる。現実的に工場で生み出されるデータは膨大なものとなり、通信回線の確保に膨大なコストが必要になってしまうからだ。しかも、クラウド基盤上に送りこんだデータは全てが必要なわけではない。つまり、使わないデータのために膨大なコストをかけなければならないという状況が発生するのだ。

 そこで、重要視されているのが、このデータをより現場に近い領域で選別する役割を担う「エッジコンピューティング」である。現場により近い位置で、発生するデータをクラウド基盤に上げるべきかそうでないかを選別・抽出し、必要なデータだけを送り込む。また、その場ですぐに動作が必要な場合は、そこで現場の機器に指示を出しコントロールするというような役割を担う。ある意味で“現場監督”のような役割だ。

エッジコンピューティング向きのFPGA

 このエッジコンピューティングを実現するためには、新たな機器を設置するのか、もしくは既に存在する産業用PC(IPC)やPLC(Programmable Losic Controller)などにこうした機能を組み込むのかは、まだ議論が分かれるところだ。しかし「デバイスレベルで考えた場合、エッジコンピューティングに向いている」と見られているのがFPGA(Field-Programmable Gate Array)である。

 FPGAは、製造後もプログラムによって機能が変更できる半導体(PLD=Programmable Losic Device)の一種で、論理や配線などをソフトウェアで設計できる自由度と柔軟性が特徴である。製造現場のシステム環境は、さまざまな機器やソフトウェアが混在し、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークで複雑な依存関係が存在する。また、環境変更なども頻繁に発生するため、状況に合わせた柔軟性や異種環境の吸収性のような機能が求められることになるためだ。

 この中で産業用IoT(IIoT)での優位性を訴えるのがFPGA大手のザイリンクス(XILINX)だ。

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