190万通りのカスタマイズを支える統合BOM、カシオがMY G-SHOCKで新導入:製造IT導入事例
エクサは2022年1月12日、カシオ計算機の時計ブランド「G-SHOCK」のカスタマイズサービス「MY G-SHOCK」において、BOM/BOPを生成ルールで管理する統合BOMソリューション「SPBOM」の導入を発表した。My G-SHOCKに用いる部品の構成や組み合せを生成するエンジンとして活用する。
エクサは2022年1月12日、カシオ計算機の時計ブランド「G-SHOCK」のカスタマイズサービス「MY G-SHOCK」において、BOM(部品表)/BOP(工程表)を生成ルールで管理する統合BOMソリューション「SPBOM」の導入を発表した。MY G-SHOCKに用いる部品の構成や組み合せを生成するエンジンとして活用する。
MY G-SHOCKは複数のパーツを自由に選択することで、約190万通りの組み合わせの中から自分好みのG-SHOCKを作れるカスタマイズサービスである。注文は同社のWebサイト上で行うが、快適なユーザー体験を提供するためには、受注可能なパーツの情報を即座にWebサイトへと反映する仕組みが必要である。それには、同社のWebサイトと製造現場をダイレクトにつなぐBTO(受注生産)システムの構築が必須だった。
そこで、カシオ計算機はエクサのSPBOMを導入し、基幹システムで維持管理されている部品表データに対して、シンプルな連携ルールを設定することで、コンポーネント(パーツ)構成マスターを自動生成する仕組みを作った。要件定義から実装フェーズまで4.5カ月間の短期間でシステム構築を実現したという。Excelなどを使った手作業による膨大なマスター情報の作成や変更管理が不要となるなどの導入効果があった。
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