製造現場の3D CADデータ活用ソリューションの提供を開始:VRニュース
東芝デジタルソリューションズは、製造現場の3D CADデータ活用ソリューション「Meister MR Link」の提供を開始した。物理的な空間の実物に仮想空間の3Dモデルを重ね合わせて表示し、作業を効率化する。
東芝デジタルソリューションズは2021年12月21日、製造現場の3D CADデータ活用ソリューション「Meister MR Link」の提供を開始した。MR(複合現実)技術と既存の3D CADデータを用いて、物理的な空間の実物に仮想空間の3Dモデルを重ね合わせて表示し、作業を効率化する。料金体系は月額固定料金で提供する。
Meister MR Linkは、MR技術の活用により、これまで現場で紙の図面などを参照しながら行っていた設計と実物の差異や品質の確認作業を、タブレット端末上で3Dモデルと実物を容易に見比べながら行える。
同ソリューションを使用することで、既存の3D CADデータをMR用の3Dモデルデータに変換し、現場に持ち込める。データ変換ツールとタブレット端末用アプリケーションで構成されており、市販の汎用タブレット端末でMR技術を活用できる。
タブレット端末で3Dモデルを実物に重ねられる仕組みで、専用機器や検証ルームなどの大規模な設備投資が不要だ。また、製造業に特化した機能を標準で搭載する。
タブレット端末用アプリケーションの主な機能は、重ね合わせ機能、バーチャル付箋機能、実績登録機能など。重ね合わせ機能を使用することで、MR用の3Dモデルに変換したデータをタブレット端末のアプリ上で現物と重ね合わせて表示できる。
バーチャル付箋機能は、画面をタップすることで仮想空間上にメモを残せる。証跡管理ができ、保存した付箋は次回以降も3Dモデルにひも付けた場所に表示されるため、情報共有や教育用途にも活用できる。
実績登録機能は、作業実績や実施した作業内容を記録できる。記録した内容は、PCなどで読み込めるCSV形式で出力。記録した内容を共有することで、レポートの代わりになる。
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