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スライドリンクでプレゼン資料の中を自由に動き回る技術者のための資料作成とプレゼン講座(6)(3/3 ページ)

どんなに素晴らしい内容の発表でも、それが読み手や聞き手にうまく伝わらなければ意味がない。本連載では、技術者の皆さんを対象に、相手に伝わる発表内容の構成や資料の表現方法などについて伝授する。第6回は、プレゼンを聞く人のレベルや要望に合わせてプレゼン資料の中を自由に移動できるようにするテクニックを紹介する。

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レベル3:スライドのアイコンリンク

 最後にズーム効果を使ったクリッカブルなスライドの作成方法を紹介します。

 これまでのスライドリンクで、ズーム機能を使うと簡単にスライド内を移動できるリンクを作成できることがお分かりいただけたでしょう。

 ここで残念なのは、スライドリンクのためのボタンは「スライドそのもののサムネイルになる」ということです。このスライドを画像やアイコンに変更できれば、見栄えがかなりアップします。

 実際、このようなプレゼン資料が出来上がります(図7)。

アイコンズームによるプレゼン資料
図7 アイコンズームによるプレゼン資料

 少々、準備が必要で手順もこれまでのものより少しだけ多くなりますが、手間と比較して効果が高いので、ぜひチャレンジしてみてください。

 以下のファイルをダウンロードして内容を確かめながらお読みください。

1.まず、アイコンになるファイルを用意します。アイコンの画像形式はSVG(Scalable Vector Graphics)がよいでしょう。PowerPointの中で拡大してもギザギザになりません。今回は「3Dモデル.svg」「有限要素モデル.svg」「解析結果.svg」の3つを用意しました。アイコンのファイルはPowerPointに読み込まず、どこかのフォルダに保存しておいてください

2.次に、コンテンツスライドを作成します。3つのアイコンに対応して、3Dモデル、有限要素モデル、ミーゼス応力と変形をアニメーションGIFとして張り付けた解析結果、3つを作成しました

3.スライドの先頭に白紙(ブランク)のスライドを作成します。レベル2と同じ手順で、1つ目のコンテンツスライドを白紙スライドにドラッグ&ドロップします。コンテンツスライドのサムネイルが張り付けられます

4.サムネイルを選択した状態で、[挿入]から[ズーム]を選択します。サムネイルが選択されていないと[ズーム]メニューが表示されませんので注意してください

5.図8のようなメニューとなります。一番左側の[画像の変更]で対応するアイコンのファイルを選びます。そして、[ズームに戻る]のチェックボックスにチェックを入れておいてください。これによって、コンテンツスライドをクリックするとズームのもととなるスライドに戻ることができます。戻るボタンの代わりと思ってください

ズームメニューの設定
図8 ズームメニューの設定[クリックで拡大]

6.アイコンの回りに薄い枠があります。[ズームの枠線]を[枠線なし]に設定します

7.他の2つのサムネイルについて、4〜6を繰り返します。これで出来上がりです!

8.スライドショーで動作を確認します

 今回紹介した3つのリンク方法を使えば、プレゼンを聞く人のレベルや要望に合わせてプレゼンの中を移動できるようになります。3つのリンク技法を組み合わせてプレゼン資料の中を縦横無尽に動き回ることができるようになることを願っています。 (次回へ続く

コラム:

プレゼンの中でWebページを紹介したり、参照したりしたい場合があります。PowerPoint内のURLをクリックして飛ぶと、Webブラウザが立ち上がって、それでWebページが表示されます。ちょっと連続性がない感じがしませんか?

筆者は、PowerPoint内にWebページを表示するのにアドインを利用しています。複雑な設定はできませんが、Webページを見せるだけなら十分です。[挿入]から[アドイン]−[アドインを入手]でアドインのストアのような画面が現れます。「ビューアー」と入力して検索してみてください。図9のようなビュワーが見つかります。それをPowerPointに追加します。設定は簡単で、表示させたいURLを打ち込むだけです。PowerPointのスライドショーの中でスムーズにWebページが表示できます。

スライドショーでWebページが表示できるアドインの「ビューアー」
図9 スライドショーでwebページが表示できるアドインの「ビューアー」[クリックで拡大]

⇒ 連載バックナンバーはこちら

Profile

栗崎 彰(くりさき あきら)

1958年生まれ。サイバネットシステム株式会社 シニア・スペシャリスト。1983年より37年間、構造解析に従事。I-DEASの開発元である旧 SDRC 日本支社、CATIAの開発元であるダッソー・システムズを経て現在に至る。多くの企業で3D CADによる設計プロセス改革コンサルティングや、設計者解析の導入支援を行う。特に設計者のための講座「解析工房」が人気。解析における最適なメッシュ・サイズを決定するための「OK法」を共同研究で模索中。


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