活動量計とAIを活用し、盲導犬候補の先進的な健康管理を目指す:医療機器ニュース
NECは、盲導犬の先進的な健康管理を目指した取り組みを開始する。首輪装着型の活動量計を用いて、初期訓練期間に収集したデータをNECのAI技術群「NEC the WISE」で分析し、ストレスチェック、運動量の変化などの健康管理を実施する。
NECは2021年12月14日、日本動物高度医療センター、関西盲導犬協会、京都市獣医師会と連携して、盲導犬の先進的な健康管理を目指した取り組みを同月より開始すると発表した。盲導犬候補の犬に活動量計を装着し、収集した各種データを同社のAI(人工知能)技術群「NEC the WISE」で分析する。
具体的には、訓練センターに入所した犬の首輪に、日本動物高度医療センターの犬猫用活動量計「PLUS CYCLE」を装着する。初期訓練期間の6週間で各種データを収集し、NEC the WISEで分析する。
PLUS CYCLEは、三軸加速度センサーと気圧センサーを備え、活動量やジャンプの回数、睡眠時間などを測定する。また、訓練センター入所時に京都市獣医師会が実施する健康診断、診療の結果や、訓練士による毎日の所見データなどを収集する。これらをAIで分析することで、ストレスチェック、運動量の変化、性格の変化、健康状態の予測などの健康管理を実施する。
盲導犬になるには、性格面の適性に加えて、訓練センターでの訓練や健康チェックに関する厳格な評価に合格する必要がある。そのため、盲導犬になれるのは候補の約3〜4割とされる。
将来的には、候補犬ごとに訓練情報と健康管理情報を照らし合わせて、盲導犬に適性のある犬の共通特性を把握し、盲導犬の育成過程の改善につなげる。初期訓練期間だけでなく、盲導犬候補の誕生から盲導犬になった後まで、AIを活用した健康管理を充実化していく。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 新型コロナ死亡者数の少ない理由、日本人に多い白血球の型が影響
理化学研究所は、季節性コロナウイルスに応答する記憶免疫キラーT細胞が、類似したウイルスにも反応する抗原部位を持つことを発見した。その部位が、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質領域にも、強く交差反応することが分かった。 - 効果が長期間持続する、筋ジストロフィーのゲノム編集治療に成功
京都大学iPS細胞研究所は、ゲノム編集治療に利用できる脂質ナノ粒子輸送システムを開発し、筋ジストロフィーモデルマウスのゲノム編集に成功した。効果が長期間持続し、かつ繰り返し投与できるため、骨格筋疾患の新しい治療法として期待できる。 - 携帯電話基地局などからの電波ばく露レベルの変動が明らかに
情報通信研究機構は、携帯電話基地局などからの電波ばく露レベルの大規模かつ長期測定を実施した。同一地域の10年前との比較では、電波ばく露レベルは上昇傾向にあったものの、電波防護指針値よりも十分に低いレベルにあった。 - 光超音波イメージング装置の薬事承認を申請、無被ばくで血管を3D画像化
Luxonusが開発した、光超音波イメージング装置「LME-01」の薬事承認申請が受理された。光と超音波を組み合わせた画像診断装置で、造影剤を使用せず、血管を無被ばくかつ簡便に3Dイメージングできる。 - デルタ株に特徴的な1つのアミノ酸変異がウイルスの病原性を増大させる
国内の研究コンソーシアム「G2P-Japan」は、新型コロナウイルス「デルタ株」が従来株と比べて病原性が高いことを確認し、デルタ株に特徴的な変異P681Rが病原性の高さと関与していることを明らかにした。 - 「欧州NIS指令2」で注目される医療機器メーカーのCSIRT/PSIRTの役割
本連載第33回で取り上げた「欧州NIS指令」だが、現在、改訂版の施行に向けた作業が急ピッチで進んでいる。