ニュース
富士電機、システム事業拡大に向けてプラントシステム棟を新設:工場ニュース
富士電機の東京工場に新設された「プラントシステム棟」が稼働を開始した。現地再現性を高めた検証システムを充実させており、プラントシステムの開発、生産体制を強化してシステム事業を拡大する。
富士電機は2021年12月14日、同社東京工場(東京都日野市富士町)に新設した「プラントシステム棟」が、同年11月より稼働を開始したと発表した。地上2階建てで、延床面積は約1万3030m2。新棟追加により、プラントシステムの開発、生産体制を強化し、システム事業を拡大する。
同社では、顧客に応じて、監視制御システムや制御盤、電源盤などの製品を最適に組み合わせてプラントシステムとして構築し、提供している。プラントシステム棟では、新たに現地再現性を高めた検証システムを充実させた。顧客がプラントを早期に立ち上げて、稼働できるよう、システム上で顧客のプラントを再現、検証するほか、同社が複数の生産拠点で製造する製品を遠隔でネットワーク接続し、組み合わせる試験も実施する。
また、多様なプラントに広く適用できるプラントシステムの標準プラットフォームを構築。顧客の要求仕様に応じて、プラットフォーム化したシステムに機器やソフトウェアを組み合わせて提供する。これにより、リードタイムを最大4割削減し、システムの品質と信頼性を高める。
プラントシステム棟に設けられたコミュニケーションエリアでは、実際の製品や大画面モニターを用いて、プラントシステムを構成する製品やソリューションを紹介する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- スマート工場は“分断”が課題、カギは「データ取得」を前提としたツールの充実
工場のスマート化への取り組みは2020年も広がりを見せているが、成果を生み出せているところはまだまだ少ない状況だ。その中で、先行企業と停滞企業の“分断”が進んでいる。新型コロナウイルス感染症(COVID−19)対応なども含めて2021年もスマート工場化への取り組みは加速する見込みだが、この“分断”を解消するような動きが広がる見込みだ。 - スマートファクトリー化がなぜこれほど難しいのか、その整理の第一歩
インダストリー4.0やスマートファクトリー化が注目されてから既に5年以上が経過しています。積極的な取り組みを進める製造業がさまざまな実績を残していっているのにかかわらず、取り組みの意欲がすっかり下がってしまった企業も多く存在し2極化が進んでいるように感じています。そこであらためてスマートファクトリーについての考え方を整理し、分かりやすく紹介する。 - エッジは強く上位は緩く結ぶ、“真につながる”スマート工場への道筋が明確に
IoTやAIを活用したスマートファクトリー化への取り組みは広がりを見せている。ただ、スマート工場化の最初の一歩である「見える化」や、製造ラインの部分的な効率化に貢献する「部分最適」にとどまっており、「自律的に最適化した工場」などの実現はまだまだ遠い状況である。特にその前提となる「工場全体のつながる化」へのハードルは高く「道筋が見えない」と懸念する声も多い。そうした中で、2020年はようやく方向性が見えてきそうだ。キーワードは「下は強く、上は緩く結ぶ」である。 - 工場自動化のホワイトスペースを狙え、主戦場は「搬送」と「検査」か
労働力不足が加速する中、人手がかかる作業を低減し省力化を目的とした「自動化」への関心が高まっている。製造現場では以前から「自動化」が進んでいるが、2019年は従来の空白地域の自動化が大きく加速する見込みだ。具体的には「搬送」と「検査」の自動化が広がる。 - 見えてきたスマート工場化の正解例、少しだけ(そもそも編)
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについて、話題になったトピックなどに応じて解説します。第28回となる今回は、スマート工場化において見えてきた正解例について前提となる話を少しだけまとめてみます。 - いまさら聞けない「マスカスタマイゼーション」
IoT(モノのインターネット)活用などで実現するスマートファクトリーの理想像とされる「マスカスタマイゼーション」。このマスカスタマイゼーションとは何かを5分で分かるように簡単に分かりやすく解説します。