EVがカーボンニュートラルに貢献するための環境整備へ、日産が自治体の支援強化:電気自動車
日産自動車は2021年12月22日、自治体のカーボンニュートラル達成を支援するパートナーシップを締結したと発表した。住友商事や住友三井オートサービスとともに、EV(電気自動車)の導入やシェアリングによる地域の移動手段の脱炭素化と、再生可能エネルギー由来の電力の導入を支援する。
日産自動車は2021年12月22日、自治体のカーボンニュートラル達成を支援するパートナーシップを締結したと発表した。住友商事や住友三井オートサービスとともに、EV(電気自動車)の導入やシェアリングによる地域の移動手段の脱炭素化と、再生可能エネルギー由来の電力の導入を支援する。
CO2排出量を2050年までに実質ゼロにすることを表明した市区町村は492カ所に上る。再エネの導入や活用は、地域のカーボンニュートラル達成に貢献するだけでなく、防災体制の強化にも大きく貢献するという。環境省など関係省庁から積極的な支援が行われている一方で、カーボンニュートラルに向けた自治体での計画策定や、再エネの導入、活用に必要な知見や人員が不足しているという課題もある。
EVと再エネの組み合わせや再エネ電力取引のプラットフォームを生かし、効率的なエネルギーマネジメントの実現や、地域内のレジリエンス強化、地域内のエネルギー循環による地産地消を、3社で協力して目指す。自治体のそれぞれのニーズに合わせて支援していく。
自動車メーカーとしてはEVを販売するだけでなく、カーボンニュートラルな電力を利用できる環境の整備や、工場のカーボンニュートラル化などトータルに取り組む必要があるという。「時間をかけるのではなく、できることは足早に進めていかなければならない」(日産自動車 社長の内田誠氏)。
会津若松市の再エネ100%に向けた取り組みに参加
同日、福島県会津若松市のスーパーシティAiCTコンソーシアムともカーボンニュートラルの実現に向けた連携協定を結んだ。会津若松市において、EVを核とした大規模なエネルギーマネジメントの構築や再エネの活用、EVの保有の在り方などについて、長期的な実証実験に協力して取り組む。
まず、AiCTコンソーシアムの会員企業が入居するICTオフィスビル「スマートシティAiCT」に太陽光パネルを設置するとともに、再エネの蓄電設備として新型EV「アリア」5台を活用する。太陽光発電でアリアに充電し、その電力をオフィスビルに給電する。再エネの利用率向上や、オフィスビルの電力コスト削減を図る。会津若松市では再エネ100%を目指している。この取り組みは再エネ100%に向けた一環となる。
また、EVの市内での利用状況やバッテリー状態をAI(人工知能)で予測し、再エネの発電見通しと組み合わせて地域でのエネルギー活用を最適化するよう検証する。
長期的には、オフィスや店舗、工場、住宅などで電力の余剰分や不足分を直接取引し、エネルギーの地産地消を促す実証実験にも取り組む。さまざまな取り組みの結果を踏まえて、市民の行動変容を促す仕掛けをつくり、モビリティとエネルギーのバランスを保ちながら利益を生む持続可能なビジネス創出につなげていく。
従業員向けに電力販売
日産自動車は従業員向けの実質再エネ100%の電力販売も開始する。2022年度初めから関東圏に居住する同社の従業員に提供する。これまで日産ディーラーで電力の代理店販売は行ってきたが、日産としては初めて電力販売に乗り出す。電力販売を自ら行うことで、ビジネスへの理解を深める。
その中で、EVユーザーに提供できるメリットを模索しながら、EVに合わせた電力プランを提供するビジネスパートナーの選定も1年ほどかけて検討していく。
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