半導体製造装置は2022年に約13兆円のグローバル市場規模に、SEMIが予測発表:製造マネジメントニュース
SEMI Japanは2021年12月15日〜17日にかけて、東京ビッグサイトでエレクトロニクス製品の国際展示会「SEMICON Japan 2021 Hybrid」(以下、SEMICON Japan)を開催中だ。同展示会の開催発表会では、SEMIによる半導体製造装置のグローバル市場予測も公開した。
SEMI Japanは2021年12月15日〜17日にかけて、東京ビッグサイトでエレクトロニクス製品の国際展示会「SEMICON Japan 2021 Hybrid」(以下、SEMICON Japan)を開催中だ。同展示会の開催発表会では、SEMIによる半導体製造装置のグローバル市場予測も公開した。
テスラ車の分解展示なども設置
SEMICON Japanがリアル展示会として開催するのは、2019年以来2年振り。今回は、リアルと併せてオンラインでも有料プログラムを開催する、ハイブリッド形式での開催となる。
2021年12月15日の開会式では、「グローバル半導体産業における日本の国家戦略」をテーマに内閣総理大臣の岸田文雄氏、衆議院議員 自由民主党の甘利明氏、経済産業省商務情報政策局審議官(IT戦略担当)の藤田清太郎氏が登壇した。会期中のキーノートにはインテルやTSMC、東京エレクトロン、ルネサスエレクトロニクスなどの企業担当者が、それぞれのテーマについて語る。
リアル展示会では通常の展示会スペースに加えて、エレクトロニクス業界に関わるテーマ別のパビリオンを設置する。具体的にはTesla Model Sの分解車両や東海大学のソーラーカーなどを実車展示する「SEMI SMART Mobility パビリオン」、テトラ・アビエーションの垂直離着陸航空機「Mk-3」を展示する「空モビリティ パビリオン」、JAXAの不整地用マルチクローラロボットを展示する「宇宙と地球と半導体2.0 パビリオン」などを設置する。
また、オンラインの有料プログラムである「Tech&Biz ONLINE」では、次世代モビリティや中国の半導体サプライチェーンの最新動向、量子コンピュータの開発、BCP(事業継続計画)など12個のセミナーを開催する。会期は2021年12月17日までだが、オンデマンド配信で同月28日まで視聴可能。
SEMIによる半導体製造装置の世界市場予測
SEMICON Japanの開催発表会では、併せてSEMI Marketing General ManagerのSanjay Malhotra氏が半導体製造装置のグローバル市場予測も公開した。
半導体製造装置の世界販売額は2020年の710億ドル(約8兆819億円)だったのに対して、2021年には1030億ドル(約11兆7245億円)にまで拡大した。2022年には1140億ドル(約12兆9766億円)には到達する見込みだという。
前工程で使用するウエハー製造装置の関連市場は、2021年は前年比43.8%増の880億ドル(約10兆422億円)に達した。2022年には同12.4%増の約990億ドル(約11兆2666億円)になるが、2023年には同0.5%減の約984億ドル(約11兆1983億円)になると予測する。
ウエハー製造装置関連市場の中でも、販売額で特に大きな割合を占めるファウンドリとロジック関連市場は、2021年には前年比50%増の493億ドル(約5兆6105億円)に達した。既存/最先端ノードへの投資額が大きく増加したためで、2022年もこの傾向は続き、ファウンドリとロジック関連市場の投資額は前年比17%増となる見通し。
NAND、DRAM装置市場も企業とコンシューマーによる需要に後押しされる形で成長した。DRAM装置市場は2021年には前年比52%増の約151億ドル(約1兆7184億円)に達した。2022年には前年比1%増の約153億ドル(約1兆7412億円)になる見通し。NANDフラッシュ装置市場は2021年には前年比52%増の約151億ドル(約1兆7184億円)に達し、2022年は前年比8%増の約206億ドル(約2兆3443億円)になると予想される。2023年にはDRAM装置市場が前年比2%減、NAND装置市場が3%減となる見込み。
組み立てとパッケージング装置市場は、2021年に前年比81.7%増の約70億ドル(約7966億円)に成長した。2022年もアドバンスド半導体パッケージへの投資によって、前年比4.4%増になると予想する。
テスト装置市場は5Gやハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)アプリケーションの需要増加によって、2021年には前年比29.6%増の約78億ドル(約8876億円)を達成した。2022年には前年比4.9%拡大する見込み。
投資額を地域別に見ると、2021年のトップ3は中国と韓国、台湾となる見通しだという。ただMalhotra氏は、2022年と2023年には台湾が首位になると予測した。
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