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半導体の開発力低下やサプライチェーン混乱に対する国家戦略を提言――JEITA製造マネジメントニュース

電子情報技術産業協会(JEITA)の半導体部会は2021年5月19日、経済産業省に対し「国際競争力強化を実現するための半導体戦略」とした提言書を提出したことを発表した。

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 電子情報技術産業協会(JEITA)の半導体部会は2021年5月19日、経済産業省に対し「国際競争力強化を実現するための半導体戦略」とした提言書を提出したことを発表した。

 DX(デジタルトランスフォーメーション)や、Society 5.0のようなデータ駆動社会へのシフトが加速する中で、半導体はこれらを支える重要な役割を担う。また、自動車の電動化や、IoT(モノのインターネット)の拡大により、半導体そのものの使用領域が広がっており、半導体不足が全世界的に深刻な状況も生まれている。こうした中主要各国政府による自国の半導体産業への大型支援が相次いでいる。半導体の国内生産率の向上や供給確保の競争が過熱する状況である。

 こうした状況を受け、JEITA 半導体部会では日本政府に対し、以下の5つの項目を提言した。

  1. 新たな時代の研究開発体制と支援:2050年カーボンニュートラルの実現に向けた次世代半導体の開発支援
  2. 新時代のサプライチェーンのための支援:リスクヘッジを見据えた新たなサプライチェーン構築と、5GやAI(人工知能)、IoTなどのデジタル技術基盤を活用した次世代製品向け半導体の支援、BCM(事業継続管理)への対応支援
  3. 国際的な半導体支援策の潮流への対応と国際的なイコールフッティングの実現:日本が強い半導体分野(メモリ、パワー、センサーなど)についての大型支援。国家安全保障の観点から主要国が進める半導体産業の維持、強化に日本が出遅れることのないように、それら主要国の補助金に比肩する支援
  4. 輸出管理などの対応:日本の半導体産業のビジネスに多大な影響を与える規制に対しての支援
  5. 半導体に関する諮問委員会の設置:日本政府内(内閣府など)に半導体戦略を議論する産官学による諮問委員会設置のお願い

 提言書を提出した目的と背景について、JEITA 半導体部会長の早坂伸夫氏(キオクシア 代表取締役社長)は「日本の半導体産業は、CMOSイメージセンサー、NAND型フラッシュメモリ、自動車向けMCUをはじめ、アナログ、パワーや特定分野において世界的な存在感を示している。一方、ファブレス/ファンドリにおける存在感は薄く、また、技術開発でも競争力が低下している。今回の提言は半導体産業として、社会全体のためにより一層貢献する決意表明であり、そのために日本政府の支援を要請するものだ」とコメントしている。

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