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切削油、洗浄液の浄化ユニットに取り付け可能な浮上油回収ユニットを開発:FAニュース
スギノマシンは、切削油、洗浄液の浄化ユニット「JCC-HM」に取り付け可能な浮上油回収ユニットを開発した。マイクロバブルを活用した液中油分と液面油分の同時処理により、回収量を従来の2倍以上増やせる。
スギノマシンは2021年10月20日、切削油、洗浄液の浄化ユニット「JCC-HM(ジェイシーシー エイチエム)」に取り付け可能な浮上油回収ユニットを開発したと発表した。2021年11月から、国内外で販売を開始している。
JCC-HMは、直径100μm未満のマイクロバブルに液中の油分を付着させ、水面に浮上させることで液を浄化する。9枚羽のコアレッサーを5つ搭載し、油が付着した泡を凝集させる。大きくなった泡は浮上速度が速くなるため、素早く汚れを分離できる。
浮上油回収ユニットは、JCC-HMの処理回路に取り付けるだけで、既存機能を維持しつつ浮上油の回収機能を追加できる。切削油や洗浄液に混入した油分は、液面に浮上してたまりやすくなっており、4つのフロート(浮き)で液面に浮かせた回収ユニットで効率よく回収する。マイクロバブルを活用した液中油分との同時処理により、回収量を2倍以上増やせる。
また、同ユニットは、90度おきに配置された4つのフロートが姿勢を保ち、安定した処理が可能。フィルターやベルトなど消耗部品を使用しないため、メンテナンスコストを大幅に削減できる。大きさは直径280×60mmで、JCC-HMの処理回路に後付けで装着できる。
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