アップサイクル製品用のジョイントモジュールを3Dプリンタで製造:3Dプリンタニュース
NODは、不要品同士をつなぎ合わせ、アップサイクル製品を製造するための「ジョイントモジュール」を3Dプリンタで製造した。KDDI総合研究所による「GOMISUTEBA」プロジェクトの実証実験の1つとなる。
NODは2021年11月25日、不要品同士をつなぎ合わせ、アップサイクル製品を製造するための「ジョイントモジュール」を3Dプリンタで製造したと発表した。KDDI総合研究所による「GOMISUTEBA」プロジェクトの実証実験の1つとして、Boolean、浜田晶則建築設計事務所と共同で製造した。
アップサイクルとは、捨てられるモノに新たな付加価値を加え、別の製品にアップデートさせること。KDDI総合研究所では、サイバー空間とフィジカル空間を融合させたアップサイクルの工程を構築し、アップサイクルを手軽に実践できる社会の実現を目指すGOMISUTEBAプロジェクトに取り組んでいる。
今回の実証実験では、不要品同士をつなぎ合わせるジョイントモジュールの企画提案サポート、デザイン、開発、製造フローを構築した。初回製品として、3Dプリンタで製造したジョイントモジュールを利用し、壊れた家具同士をつなぎ合わせたアップサイクル家具を製造した。
企画やフロー設計をNOD、設計を浜田晶則建築設計事務所、3Dプリントによる製造をBooleanが担当。製造したアップサイクル家具はまだ実証実験の段階にあるが、1年ほどかけて社会実装に向けて強度、コスト、デザインの検証を進めていく。
GOMISUTEBAプロジェクトでは、2021年度に取り組みの一部を体験できるアップサイクルのワークショップを開催する。2022年度には、3Dデータ化された素材をサイバー空間で組み合わせ、家具やインテリアのデザイン、製造ができる仕組みを構築し、実フィールドで生活者が参加する実証実験を実施する予定だ。
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