リスキリングを約5割が実施、新たに身に付けたいITスキルは「データ解析」:キャリアニュース
「ビズリーチ」が、スキルを学び直す「リスキリング」に関する調査の結果を発表した。ビジネスパーソンの54.8%がリスキリングに「取り組んでいる」と回答した。「新たに身に付けたいITスキル」は「データ解析・分析」が最も多かった。
転職サイト「ビズリーチ」は2021年11月29日、「リスキリング」に関するアンケート調査の結果を発表した。リスキリングとは、デジタル化など社会の変化に応じて必要となったスキルを学び直しによって習得することだ。
同調査はビズリーチ会員と企業の経営層、人事担当者を対象とし、ビズリーチ会員からは970件、経営層と人事担当者からは245件の有効回答が得られた。
初めに、ビジネスパーソン(ビズリーチ会員)に、自身のスキルについて、将来的に新たなスキルを身に付ける必要があると感じるかと尋ねた。その結果、「とてもそう思う」(47.5%)、「どちらかといえばそう思う」(45.6%)を合わせて、93.1%が将来的に新たなスキルを身に付ける必要性を感じていることが分かった。
これを年代別に見ると、必要性を感じている割合は30代が99.6%と最も多かった。その他の年代も、40代の97.6%、50代の88.9%、60代以上の83.5%が新たなスキルを身に付ける必要性を感じていた。
将来的に新たなスキルを身に付ける必要が「あると思う」理由は、「仕事の幅を広げるために、継続的にスキルアップしたいから」(69.3%)が最も多かった。次いで「自身の希少性を向上させ、市場価値を上げたいから」(53.7%)、「中長期的にキャリアを考えると、現状のスキルだけだと不安を感じるから」(39.3%)となっている。
次に「現在リスキリングに取り組んでいますか」と尋ねたところ、54.8%が「取り組んでいる」と回答した。「取り組んでいる」の内訳は、「勤め先を通じて取り組んでいる」が9.4%、「勤め先でも個人でも取り組んでいる」が5.2%となり、14.6%は勤め先を通じて取り組んでいることが分かった。「個人で取り組んでいる」は40.3%で、勤め先を通じて取り組んでいると回答した人の約3倍となっており、個人で主体的にリスキリングに取り組むビジネスパーソンが多いことが分かった。
リスキリングを主導するのは、企業と個人どちらが望ましいかという質問に対しては、「個人」が54.2%を占めており、「企業」の28.7%を上回った。主体的なキャリア形成に対する意識の高さがうかがえる。
ビジネスパーソンに「新たに身に付けたいITスキル」を尋ねたところ、最も多かったのは「データ解析・分析」(62.5%)だった。次いで「デジタルマーケティング」(34.6%)、「プロジェクトマネジメント(PM)」(31.8%)となっている。
リスキリングに対する企業側の取り組みは
続いて、企業側(経営層、人事担当者)に「あなたの会社では、現在リスキリングに取り組んでいますか」と尋ねたところ、「現在取り組んでいる」と回答した企業は19.2%だった。「今後取り組む予定・検討中」は38.0%で、リスキリングに取り組む企業が増加傾向にあることがうかがえる。
「リスキリングに取り組む理由(企業課題)」は「事業成長や新規事業に必要なスキルを持った人材を育成するため」(75.4%)が最も多かった。次いで「人的資本経営のため」(38.7%)、「社員のキャリア支援のため」(35.9%)となっている。なお、「社内のIT人材が不足しているため」「スキルを持った人材の採用が難しいため」(いずれも26.1%)なども理由に挙がった。
また、リスキリングに取り組み始めた(取り組み始める)時期を尋ねると、コロナ禍以前となる「2019年以前」が21.4%だったのに対し、コロナ禍以降となる「2020年以降」は44.3%だった。内訳は2020年が6.4%、2021年が12.9%、2022年が18.6%、2023年以降が6.4%だった。また、「具体的な時期は分からない」と回答した企業も34%あった。
「年齢にかかわらずリスキリングに積極的に取り組むことは、市場価値を上げることにつながると思いますか」という質問に対しては、「そう思う」が50.6%、「どちらかといえばそう思う」が43.7%となり、94.3%の経営層、人事担当者が、年齢にかかわらずリスキリングに積極的に取り組むことは、市場価値を上げることにつながると考えていることが分かった。
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