ニュース
100兆回の書き込みを保証、高速動作と低消費電力の8MビットFRAMを提供開始:組み込み開発ニュース
富士通セミコンダクターメモリソリューションは、100兆回の書き込みを保証したパラレルインタフェースの8MビットFRAM「MB85R8M2TA」のサンプル提供を開始した。高速動作と低消費電力を両立し、SRAMの代わりとして産業機械に利用可能だ。
富士通セミコンダクターメモリソリューションは2021年11月17日、100兆回の書き込みを保証した、パラレルインタフェースの8MビットFRAM「MB85R8M2TA」のサンプル提供開始を発表した。高速動作と低消費電力を両立するため、SRAMの代わりとして産業機械に利用できる。
アクセススピードがページモードで最大25ナノ秒と、従来よりも約30%高速化しており、SRAMと同等の高速アクセスが可能だ。動作電流は最大18mA(従来比10%減)で、スタンバイ電流は最大150μA(同50%減)となっている。スリープ電流は最大10μA、動作電圧は1.8〜3.6V、動作温度範囲は−40〜+85℃だ。
低消費電力SRAMと互換性があるパラレルインタフェースを搭載し、48ピンFBGAまたは、4Mビット品と互換性のある44ピンTSOPパッケージで提供する。
FRAMは、書き換え耐性に優れ、高速書き込み、低消費電力を特徴とする不揮発性メモリだ。SRAMから8MビットFRAMへ置き換えることでバッテリーを削減できる。互換性も高いことから、メンテナンスやコスト、環境負荷の削減が期待できる。
関連記事
- 車載規格AEC-Q100グレード1に準拠、4MビットFRAMの量産開始
富士通セミコンダクターメモリソリューションは、車載規格AEC-Q100グレード1に準拠した4MビットFRAM「MB85RS4MTY」の量産を開始した。+125℃動作に対応した不揮発メモリで、ADASや高性能産業用ロボットに適する。 - 125℃の環境下において1.8Vで動作する2MビットFRAM
富士通セミコンダクターメモリソリューションは、125℃の環境下において1.8Vで動作する2MビットFRAM「MB85RS2MLY」を発表した。リアルタイムなデータ記録が可能で、AEC-Q100 グレード1に準拠することから、ADASなどの先端車載用途に適している。 - 消費電力10mW以下のエッジAIマイコン、ReRAM上のメモリコンピューティングで実現
ヌヴォトン・テクノロジージャパンは、「ET&IoT 2021」において、メモリコンピューティング技術を用いたエッジAI(人工知能)マイコンを披露した。ReRAM上でAIの推論処理を行うことにより、消費電力を約10mWに抑えるとともに、AI推論エンジンのコード量も約10分の1に圧縮できるという。 - ソニー製STT-MRAMをSSDに搭載、Nextorageがデモを披露
ソニーグループのメモリストレージベンダーであるNextorageは、「第6回 IoT&5Gソリューション展 秋」において、STT-MRAMを記憶媒体として用いたPCI-ExpressベースのSSDのデモンストレーションを披露した。STT-MRAMは、ソニーセミコンダクターソリューションズで開発中のものを使用している。 - 組み込み型相変化メモリ内蔵の車載マイコン、サンプル出荷を開始
STマイクロエレクトロニクスは、組み込み型相変化メモリ「ePCM」を内蔵した車載マイコンのサンプル出荷を開始した。AEC-Q100 Grade 0準拠のePCMを組み込んだ同マイコンは、高温下でもデータの安全性を確保する。 - マイクロンの176層NANDは3つの技術で実現、一気に「業界のリーダー」へ
マイクロン(Micron Technology)がオンラインで会見を開き、2020年11月9日に量産出荷を開始した「世界初」(同社)の176層3D NANDフラッシュメモリ(176層NAND)の技術について説明した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.