極小部品のライン上でのトレーサビリティー確保へ、オムロンが新コードリーダー:FAニュース
オムロンは2021年12月1日、小型で高速、高精度の認識が可能な小型コードリーダー「V440-F シリーズ」を発売したと発表した。コンパクトなボディーながら従来モデルに比べ高速、高精度の認識が可能であるため、幅広い製造現場工程の部品認識などに活用でき、高度なトレーサビリティーシステム導入を実現する。
オムロンは2021年12月1日、小型で高速、高精度の認識が可能な小型コードリーダー「V440-Fシリーズ」を発売したと発表した。コンパクトなボディーながら従来モデルに比べ高速、高精度の認識が可能であるため、幅広い製造現場工程の部品認識などに活用でき、高度なトレーサビリティーシステム導入を実現する。
製造現場では、生産工程内のトレーサビリティーを強化する動きが高まっており、目視で識別困難なサイズの部品についても一気通貫で管理するニーズが高まっている。しかし、そのためには精緻な高速認識が可能なコードリーダーの確保や、画像認識システムの複雑化による製造現場への負荷の増加が課題となっていた。オムロンが新たに投入する新製品はこれらの課題解決を目指したものだ。
オムロンでは2017年に産業用コードリーダーの米国マイクロスキャンシステムズ(Microscan Systems)を買収。新製品はこのマイクロスキャンの小型コードリーダーの開発技術と、オムロン センテックの画像撮影技術を統合し高速撮影を可能としたものだ。
新製品「V440-Fシリーズ」は、40×61×30mmの小型サイズの筐体に、500万画素(2464×2056)の撮像素子を搭載。「従来モデルはローリングシャッターの撮像素子を搭載し高速で動くものには対応が難しかったが、グローバルシャッターの新たな撮像素子を搭載した」(オムロン)。そのため、検査速度は従来機種と比較して7倍の35fpsとし、高速移動する微小部品などもライン上で把握することが可能となる。Cマウント機構を採用しており、Cマウントレンズであれば幅広い産業用レンズを利用できる。
製造現場でのシステム化も容易に行える。PoE(IEEE 802.af)に対応し電源供給とネットワーク接続が1本のケーブルで行える他、コード認識ソフトウェアを本体内に事前搭載しているため、接続するだけでブラウザベースで外部から設定なども可能としている。オムロンではこれらの製品をグローバルで2年間に数億円規模の売上高とすることを目指している。
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