クロスドメイン対応の車載向けハイエンドマイコンを発表:組み込み開発ニュース
ルネサス エレクトロニクスは、28nmプロセスを用いたクロスドメイン対応の車載向けマイクロコントローラー「RH850/U2B」を発表した。性能の高さに加え、仮想化対応やセキュリティ機能など、優れた機能を備えている。
ルネサス エレクトロニクスは2021年11月9日、28nmプロセスを用いたクロスドメイン対応の車載向けマイクロコントローラー「RH850/U2B」を発表した。2022年4月のサンプル出荷開始を予定している。
同製品は、同社のマイクロコントローラーファミリー「RH850」の中で最もハイエンドな製品となる。400MHzのCPUを8個搭載しており、そのうち4個はロックステップアーキテクチャを採用した。
従来品の「RH850/U2A」と同じく、ハードウェアベースの仮想化支援機能を備えており、機能安全レベル「ASIL D」までの複数のソフトウェアを相互干渉することなく動かせる。全バスマスターに対して遅延を監視、規制して最小限の帯域を確保するQoS(Quality of Service)機能も備える。
さらに、デュアルバンクの内蔵フラッシュメモリにより、OTA(Over the Air)ソフトウェアアップデート時にECUが動作していても、一方のメモリにアップデートデータを保存可能。アップデート後に不具合が発生した際は、元のデータに戻すことができる。
他にも、ECC(楕円曲線暗号)を含むEvita Fullに対応したセキュリティ機能や、新たなモーター制御IP「EMU3S」を搭載。EMU3Sは「GTM v4.1」や「TSG3」といったモーター専用タイマーと連動可能で、CPUの負荷を大きく低減する。
複雑な制御を実施する際のCPUの演算負荷は、専用のデータフロープロセッサ(DFP)アクセラレーターIPが軽減する。独自機能の位置センサーインタフェース「RDC3X」は、レゾルバおよびインダクティブポジションセンサーに対応し、外付けRDCチップセットが不要で、BOMコストの大幅削減に貢献する。
主な用途として、次世代車両の電気および電子アーキテクチャで重要となるゾーンコントロール、ドメインコントロール、コネクテッドゲートウェイなどを想定している。
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