ドローンのレベル4に向け、13地域52機44ユースケースの同時飛行運航管理を実施:ドローン(2/2 ページ)
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)とKDDI、パーソルプロセス&テクノロジー(パーソルP&T)が全国13地域で計52機のドローンを同時に飛行させ運航管理を行う実証実験について説明。2022年12月の施行が予定されているドローンの「有人地帯における補助者なし目視外飛行」、いわゆるレベル4を見据えた取り組みとなる。
2022年1月にはビジネスモデル確立に向けたガイドラインを作成
今回の実証実験は、13地域にまたがって、44のユースケースで用いられている52機のドローンについて、レベル4を見据えて開発した運航管理システムで制御し、安全に飛行させる検証を行った。具体的には、KDDIの東京都港区虎ノ門のオフィス内に設置したドローン運航管理室で運航管理を行い、運航管理システムが機能・オペレーションの両面から全国で運用可能であり、複数のドローンが飛び交う上空で衝突回避などの管理業務を行えることを確認したという。
システム構成としては、まず、KDDIやパーソルP&Tなどの企業や自治体が各地域で運用しているドローンをLTEネットワークや衛星回線で各社の運航管理システムと接続。KDDIの運航管理システムは、統合管理システムを介して他社の運航管理システムや、飛行機、ヘリコプターなど有人機管制システムと情報連携することで、東京のオフィスから遠隔地のドローンの運航管理を実現した。ドローン同士が交差するようなルートを飛行する場合に衝突回避を行うだけでなく、航空機の管制システムのように、各ドローンの飛行計画を基にした調整など、ドローンの運航中(インフライト)にとどまらないさまざまな機能を実現したことも特徴になっている。
KDDI 事業創造本部 副本部長 理事の増田晴彦氏は「ドローンの社会実装が始まって多数が飛び交う状況になれば今のような目視下での単体の管理では済まなくなる。全国をカバーする携帯電話ネットワークでつなげば、目視外での自律運航が可能になるが、そのための運航管理システムも必要になるということで取り組みを進めてきた」と説明する。
パーソルP&Tは、事務局として今回の実証実験全体を推進するとともに、各地域における安全管理、実証計画策定支援、検証管理を担当。先行実証を行った東日本(宮城県)のコンソーシアムの運営も行っている。また同社は、実証実験で得られた成果を基にして、持続可能なビジネスモデルの確立に向けた運航管理要件の具体化や、それらを進めるためのガイドライン作成にも取り組む。パーソルP&T 執行役員 ビジネスエンジニアリング事業部 事業部長の前田清史氏は「今後ドローンの社会実装を進めるためには、多くの企業がビジネスとしてこの分野に参画していく必要がある。そのためのガイドラインを2022年1月をめどに作成している」と述べている。
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