タブレット型プログラミングペンダントを小型垂直多関節ロボットに適用:FAニュース
安川電機は、タブレット型プログラミングペンダント「スマートペンダント」を適用した小型垂直多関節ロボット4種を、「スマートシリーズ」として提供開始した。スマートフォンのように、直感的なロボット操作が可能になっている。
安川電機は2021年10月29日、タブレット型プログラミングペンダント「スマートペンダント」を適用した小型垂直多関節ロボット「MotoMINI」「MOTOMAN-GP4」「MOTOMAN-GP7」「MOTOMAN-GP8」4種を、「スマートシリーズ」として提供開始した。スマートフォンのように、直感的なロボット操作が可能になっている。
同社は今回、人協働ロボット「MOTOMAN-HC」シリーズで採用しているスマートペンダントを、小物ハンドリングなどに適した小型垂直多関節ロボットにも適用。直感的な操作が可能になるため、初めてでも容易にロボットを導入できる。
スマートシリーズでは、10.1インチの大型タッチパネル式液晶画面を採用し、従来の5.7インチに比べて分かりやすい表示を提供する。物理的な操作キーも必要最低限のものに限定しており、ほとんどの操作キーは必要なタイミングで画面上に表示され、迷うことなく直感的に操作できる。
「スマートモード」を搭載しており、操作者から見たままの方向へロボットを素直に動かせる。従来はロボットを操作する際、常にロボットの座標系と操作キーの向きを意識しながら押すキーを選択する必要があったが、操作キーとロボットの動く方向が常に同じになるため、座標系を意識せずにロボットを操作できる。
また、理解しやすいロボット言語を採用。短く省略された形態ではなく、見れば意味が理解できる単語のため、あらかじめロボット言語を覚えておかなくても、ティーチングやプログラミングをしながら習得できる。ロボット言語は、従来の「MOTOMAN」シリーズで採用しているロボット言語にも切り替え可能だ。
初心者向けのガイダンス、ヘルプ表示機能を搭載するほか、いつでもメインメニューを表示でき、全ての画面にアクセスできる。機能の説明を表示するアイコンを画面の随所に配置しており、操作の理解を助ける。
ロボットコントローラは、小型軽量の「YRC1000micro」と密閉型構造の「YRC1000」の2種類から、設置環境に合わせて選択できる。価格はオープン。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「人中心の自動化工場」を描く安川電機、物理面と制御面の柔軟性がカギ
日本ものづくりワールドの特別講演として、安川電機 取締役 常務執行役員 ロボット事業部長の小川昌寛氏が登壇。「ロボットの進化とデータドリブンによる自律分散型のモノづくりの実現 」をテーマに、生産現場で創出されるデータの活用によるソリューション技術の広がりや、デジタルツインの構造化によるさらなる進化について紹介した。 - 期待されるロボット市場の成長、安川電機は何を思うか
産業用ロボットでトップレベルのシェアを握る安川電機。労働人口減少による人手不足や政府の掲げる「ロボット新戦略」などロボットの活躍の場がさらに増えると見られている中、何を考え、どのような技術開発を進めているのだろうか。ロボット事業部 事業企画部 部長の富田也寸史氏に話を聞いた。 - 安川電機が考える人協働ロボットの課題と可能性
安川電機の人協働ロボット「MOTOMAN-HC10」は市場投入後1年を経過した。その手応えを開発担当者に聞いた。 - いまさら聞けない産業用ロボット入門〔前編〕
日本は「ロボット大国」とも呼ばれていますが、その根幹を支えているのが「産業用ロボット」です。それは世界の産業用ロボット市場で圧倒的に日本企業がシェアを握っているからです。では、この産業用ロボットについてあなたはどれくらい知っていますか? 今やあらゆるモノの製造に欠かせない産業用ロボットの本質と基礎を解説します。 - 製造現場での普及を2倍に、ロボット新戦略が目指すロボットと共に働く未来
日本政府が主催する「ロボット革命実現会議」は、ロボット活用の技術的および規制面でのロードマップを示した「ロボット新戦略」を発表した。本稿では、この新戦略の中で示されている「モノづくり」分野への取り組みにフォーカスし、その内容を紹介する。 - ロボット活用拡大のボトルネック、ロボットインテグレーターの現実
あらゆる現場で労働人口不足などが深刻化する中、その解決策としてロボット活用への期待が高まっている。しかし、現実的にはロボットを現場で実装するロボットシステムインテグレーターが不足しており、ロボット活用の裾野が広がらない状況になっている。経済産業省 関東経済産業局がまとめた「ロボットシステムインテグレーターに関する調査結果」の内容をまとめた。