ZETA通信を利用したクラウドタグ向けLSIを開発:組み込み開発ニュース
ソシオネクストは、ZETA通信を利用したクラウドタグ「ZETag」向けLSI「SC1330」を、ZiFiSense、テクサーと共同開発した。「Advanced M-FSK」変調方式に対応した信号処理部と各種インタフェース機能を含むデジタル回路を同一チップに集積した。
ソシオネクストは2021年10月22日、ZETA通信を利用したクラウドタグ「ZETag」向けLSI「SC1330」を、ZiFiSense、テクサーと共同開発したと発表した。2022年の量産開始を予定している。
同製品は、次世代のZETA規格「Advanced M-FSK」変調方式に対応した信号処理部と、 RISC-V CPUなどの各種インタフェース機能を含むデジタル回路を同一のチップに集積している。
動作周波数は400〜950MHz、チャンネル幅は2KHz、供給電圧は1.8〜3.6Vとなっている。インタフェースはUART、SPI、I2Cに対応。4×4mmのパッケージで提供する。
ZiFiSenseが開発したAdvanced M-FSK変調方式は、エラー耐性が強化されており、高い電波利用効率を発揮する。感度が同一である場合は、代表的な他社のLPWA方式と比較して通信速度が3倍に、通信速度が同一の場合は最大5.3dB感度が改善。時速120kmの移動体から、3〜5kmの距離を伝送できる。
これらのAdvanced M-FSK変調方式の特徴を生かしたZETagは、物流におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)化に寄与することが期待される。例えば、運送車に積載する荷物にタグを取り付け、高速道路のインターチェンジなどに設置したアクセスポイントと通信することで荷物を追跡するといった用途が見込まれる。
ソシオネクストは現在、Advanced M-FSKおよび双方向通信にも対応したLSIの開発を検討しており、今後もZETA対応チップの開発を進めていくとしている。
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