LFS方式3Dプリンタ「Form 3L」で出力した大型造形物に対応する自動後処理機:3Dプリンタニュース
Formlabsは、プロフェッショナル向け3Dプリンタ「Form 3」の大型機である「Form 3L」による大型造形に対応する自動後処理機「Form Wash L」「Form Cure L」の販売開始を発表した。
Formlabsは2021年10月27日、従来の光造形(SLA)方式とは異なる新たな造形方式「LFS(Low Force Stereolithography)」を採用したプロフェッショナル向け3Dプリンタ「Form 3」の“5倍以上の造形サイズ”を誇る大型機「Form 3L」による大型造形に対応する自動後処理機「Form Wash L」と「Form Cure L」の販売開始を発表した。
「Form 3L」による大型造形に対応する自動後処理機の販売開始を発表したFormlabs。画像左から「Form Cure L」「Form Wash L」「Form 3L」[クリックで拡大]出所:Formlabs
Form 3Lでの造形完了後、造形物の表面に残る未硬化の液体レジン(光硬化性樹脂)を大型自動洗浄装置のForm Wash Lで洗浄し、その後、大型二次硬化装置のForm Cure Lで造形物の二次硬化を行うことで、材料本来の機械的特性を得ることができる。
両製品を活用することで、洗浄と二次硬化を自動化できるため、後処理工程の省力化と効率化が図れる。また、Form Cure Lを用いた二次硬化では、使用する各材料に合わせて紫外線照射時間を適切にコントロールすることで、精緻な寸法精度で造形物を仕上げることができるという。
大型自動洗浄装置のForm Wash Lは、Form 3L用のビルドプラットフォームごと洗浄することが可能(取り外しての洗浄も可)。さらに、標準機であるForm 3用ビルドプラットフォームであれば、2つ同時に洗浄することもできる。洗浄可能な最大対応サイズは幅335×奥行き200×高さ300mm(Form 3Lの最大造形サイズと同じ)で、洗浄に使用できる溶剤はIPA(イソプロピルアルコール)、TPM(トリプロピレングリコールモノメチルエーテル)など。タンク容量は37.9l(リットル)である。
大型二次硬化装置のForm Cure Lは、洗浄/乾燥後の造形物をビルドプラットフォームから取り外して使用する。庫内にはヒーターが2つ搭載されており、10分以内に最高温度80℃まで加熱でき、高出力UV光源(3ユニット)によって確実な二次硬化を実現するという。最大対応サイズは335×200×300mm。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 従来比“5倍以上の造形サイズ”を誇る3Dプリンタ「Form 3L」の国内販売開始
Formlabsは、新たな造形方式「LFS」を採用したプロフェッショナル向け3Dプリンタ「Form 3」の“5倍以上の造形サイズ”を誇る新製品「Form 3L」の国内販売開始を発表した。 - Formlabs、高精度造形をさらに追求したLFS方式3Dプリンタ「Form 3」を国内展開
Formlabsは、従来の光造形(SLA)方式とは異なる新たな造形方式「LFS(Low Force Stereolithography)」を採用したプロフェッショナル向け3Dプリンタの新モデル「Form 3」を日本市場向けに販売開始すると発表した。 - Formlabs、SLA方式の最新技術LFSプロセス搭載の3Dプリンタ「Form 3/3L」を発表
Formlabsは、光造形(SLA)方式の最新技術であるLFS(Low Force Stereolithography)プロセスを搭載した新製品「Form 3」と「Form 3L」の2機種を発表した。 - ジェネレーティブデザインを適用したラジコンパーツを「Form 3」で出力してみた
連載「はじめてのジェネレーティブデザイン」でついに完成したラジコン用バンパー部品。せっかくなら高精度な3Dプリンタで、ラジコンに適した耐衝撃性や柔軟性を備えた素材で出力してみたい! ということで、日本市場での販売開始が発表されたばかりの「Form 3」(Formlabs製)を試してみた。 - 3Dプリンタに求められる3つの要素とは――Formlabsが描く“勝ち筋”のシナリオ
日本初となるユーザーイベント「Formlabs USER SUMMIT JAPAN 2019」に併せて来日したFormlabs 最高製品責任者のDavid Lakatos氏と、同社 最高マーケティング責任者のJeff Boehm氏に、同社を取り巻く環境や日本市場への期待、気になるあの製品の開発状況、そして金属3Dプリンタへの挑戦の可能性などについて聞いた。 - 発表から4年、FormlabsがついにSLS方式3Dプリンタ「Fuse 1」の国内提供を開始
Formlabsは、粉末焼結積層造形(SLS)方式3Dプリンタ「Fuse 1」を国内市場向けに提供開始したことを発表した。Fuse 1と併せて、後処理を担うパウダー回収ステーション「Fuse Sift」、専用パウダー材料「Nylon 12 Powder」「Nylon 11 Powder」、各種消耗品などの提供も行う。